都市化の進展した多摩川流域を対象に現地計測,データ分析およびモデル解析に基づきながら河川水温の実態と形成要因の解明および水温に対する人為的影響を軽減する方法の検討を行った。多摩川中下流部では下水処理水の放流等が集中するため冬期に水温の急激な上昇が見られるとともに近年も上昇傾向にあることがわかった。一方,地下水と河川水との水・熱交換や夏期の下水処理水放流には水温上昇の抑制効果があることを示した。また,モデル解析により上流域における取水抑制や雨水浸透促進による河川流量の増加と地下水―河川水の交換量の増大による水温上昇の緩和効果を定量化し,いずれも一定の水温低減効果があることを示した。
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