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2012 年度 実施状況報告書

衛星リモートセンシングによる非線形波浪の水位分布を考慮した高精度波高推定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560607
研究機関新潟大学

研究代表者

泉宮 尊司  新潟大学, 自然科学系, 教授 (60151429)

キーワード非線形波 / 結合確率分布 / 水面勾配 / 海面高度計 / 有義波高 / 多次元Gauss分布
研究概要

本研究では,室内実験において非線形不規則波を発生させ,加速度も計測できる小型傾斜計を用いて,水位と水面勾配の同時計測を行い,その結合確率分布を実測する.また,既存の理論である多次元Gauss分布,Gram-Charlier級数分布および正値性の保証されたMEMを用いた著者らの方法と実測値とを比較し,それぞれの精度と分布特性について検討することを研究目的とした.
室内実験において非線形不規則波を発生させ,水位と水面勾配の同時計測を行い,それらの結合確率分布と理論分布とを比較して,以下の事項が明らかとなった.(1)小型傾斜計の精度を調べるために,時間水位波形から波動方程式を用いて評価した水面勾配とを比較したところ,極めてよく一致した.このことにより,小型傾斜計の精度があることが確認された.(2)水位および水面勾配の分布は,Gauss 分布とは異なり,やや尖った分布となった.4次モーメントまで考慮した著者らの方法やGram-Charlier分布は,比較的実測値とよく一致していることが確認された.(3)水位・水面勾配結合確率分布の比較は,(a)実測値,(b)本研究の方法,(c)Gram-Charlier分布,および(d)Gauss分布で行い,(b)および(c)に関しては,4次モーメントまで考慮して確率分布を算定した.まず,水位に関してはGauss分布以外のいずれの分布においても非対称性が存在している.また,何れのケースにおいても実測値とGauss分布は有意に差異が見られ,誤差を伴うことが明らかとなった.(4)Gram-Charlier分布の正の部分は,実測値と分布が比較的類似しているが,負の値が存在する欠点を有している.それに対して,正値性の保証された本研究の方法による結果は,全体的に実測値の分布に近く,比較的よい精度で結合確率分布を再現できた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

水位と水面勾配との結合確率分布が計測できたので,あとは現地で観測すればよい結果が得られる見通しが立ったため.

今後の研究の推進方策

室内実験および現地観測により,非線形波浪の水位および海面勾配の結合確率分布を算定し,理論的に推定された分布と比較し,理論の適合性を検証する.また,有義波高と4次までのモーメントとの関係式を求める予定である.

次年度の研究費の使用計画

旅費(米子.福岡)     :180,000 円
謝金(実験補助)      :150,000 円
その他(電気部品,傭船料等):170,000 円
合計           :500,000 円

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 非線形波浪の水位および水面勾配の結合確率分布特性に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      山下正輝,泉宮尊司
    • 雑誌名

      土木学会論文集B3(海洋開発)

      巻: 68 ページ: pp. 804-809

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 風,波と流れによる漂流物の抗力係数および漂流予測に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      土門 明,泉宮尊司,石橋邦彦
    • 雑誌名

      土木学会論文集B3(海洋開発)

      巻: 68 ページ: pp. 1031-1036

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 気象条件による現地波浪の方向スペクトルおよび流れの変化特性に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      横川陽太郎,泉宮尊司,石橋邦彦
    • 雑誌名

      第30回土木学会関東支部新潟会研究調査発表会論文集

      巻: 30回 ページ: pp. 148‐151

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公開日: 2014-07-24  

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