研究課題
本研究は、近隣の播磨地域で産出される石礫や間伐材などを用いた木杭列護岸による河川整備を明石市内の小河川に適用することを目的とし、その構造設計指針及び維持管理手法の開発を目指すものである。研究成果の概要は以下の通りである。1. 木杭の腐食耐久性と施工方法に関する実験的検討:水浸と乾燥の繰り返しによる腐食に対する木杭の耐久性について、材質や表面処理法の異なる数種の木杭材料を流水中に設置した実験を行い、水深や流速等をパラメータとして腐食の程度や進行速度と木杭強度の関係を明らかにした。また、加古川水系及び喜瀬川水系の実河川においても同様の現地調査を行い、腐食に対する耐久性の高い木杭材料の選定と施工方法を提案した。2.木杭列護岸の水理機能と河床変動特性に関する模型実験:水理機能上安定性が懸念される木杭列護岸様式を対象として、縮尺模型を用いて透過性護岸の減勢効果と護岸周辺の河床変動特性及び護岸自身の変形過程について実験的に考察した。また、流水の作用による護岸材料の変形・流失過程について、護岸破壊時の限界条件を明らかにした。3. 木杭列護岸周辺部の流れ及び河床変動特性に関する数値解析:木杭列護岸周辺の流れ及び河床変動特性に関して、護岸背面の浸透流を考慮したモデルを用いて数値シミュレーションを行い、実験結果を検証するとともに浸透流速や護岸構造がその安定性に及ぼす影響度について考察した。4.明石川・喜瀬川水系における水質及び水生生物の生態に関する現地調査:透過型低水護岸の環境水理機能と生物環境機能を評価するため、県管理の明石川や喜瀬川水系で試験調査領域を設置し、水質調査と水生生物の分布調査を実施した。これらの結果から木杭護岸周辺の環境水理機能評価と生物指標を用いた生物生息環境の機能評価を行い、護岸を構成する間伐材や石礫が魚類などの水性生物の生息環境に与える要因を明らかにした。
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水工学論文集
巻: 第58巻
巻: 第58巻 ページ: CD-ROM
Proceedings of 6th International Conference on Water Resources and Environment Research
巻: Vol.6 ページ: CD-ROM
日本高専学会誌
巻: Vol.18 No.3 ページ: 15-20
Proceedings of 2013 IAHR World CongressChengdu,China
巻: Vol.36 ページ: CD-ROM
明石工業高等専門学校研究紀要
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