本研究は、2年間の休止を経て再生された地方鉄道(えちぜん鉄道)の事後評価として、地方鉄道が地域においてもたらしている様々な価値を明らかにすることを目的としたものである。その結果、沿線住民は利用の有無に関わらず、鉄道の持つ多様な価値を高く認識していること、それゆえ鉄道運営への公的財源(税)投入に対しても十分受容していること、沿線自治体の様々な分野の施策に鉄道が関わっており、担当者も鉄道の存在を高く認識していること等を明らかにした。以上を総括して、地方鉄道は地域における生活関連社会資本として十分位置づけうることを示した。
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