研究課題
最終年度である本年度は、以下の研究を実施した。1.討議のファシリテーション手法の提案2.統合的な「市民参加型の計画プロセスの運営技術」の提案1.として、まず、社会的文脈の参加型計画プロセスに対する寄与を明らかにした。問題設定のワーディングが意思決定に影響することは、フレーミングの一種として既に知られているが、本研究の一環として、マスメディアの記事のワーディングに代表される社会的文脈との近似性が高い意見は、代替案集合に採用される可能性が高まるということを、実証分析により明らかにした。この結果は、ワーディングの補完役としてのファシリテータの役割を明らかにしたものである。また、ファシリテータの関与の程度、関与の仕方が、合意形成及び参加者の討議に対する満足度に与える影響についても定量的に明らかにした。さらに、前述の社会的文脈の時間的遷移を定量的に明らかにするための分析手法も提案した。2.として、参加型計画プロセスを参加者と計画策定者の双方向コミュニケーションとしてとらえる「2層のマネジメント」を提案した。この「2層のマネジメント」は、討議自体を円滑に進行するためのマネジメントと、討議内容を代替案に取り入れるためのマネジメントの2種で構成される。後者は、計画策定者による仮説設定、初期の討議、討議の再構成、後期の講義の4段階で構成される。提案した「2層のマネジメント」を実際の参加型計画プロセスに適用したうえで、参加者間の認識の共有の拡大、計画策定者による問題提起の浸透の程度、等を参加者の発言により評価し、その有効性を明らかにした。
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土木学会論文集D3(土木計画学)
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Proceedings - 2013 IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics, SMC 2013
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