宮崎県児湯郡の国道10号に設置された消毒槽方式の消毒ポイントで実測された時間帯別交通量と渋滞長の関連を分析した。その結果、混雑度が1.57の道路地点に引き込み方式の消毒槽が設置された事例で、ピーク時において1km程度の渋滞長が発生したことを確認した。渋滞度1.39の道路地点の本線上に消毒槽が設置されたケースでは朝夕のピーク時間帯には若干の渋滞が発生したが、これが継続することはなかった。 1)この交通量と渋滞長の分析結果、2)川南町、えびの市、都城市の口蹄疫発生地点から半径5km圏、都城市と鹿児島県境における平成22年度全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)の調査対象道路の混雑度と交通量の分析結果、3)口蹄疫が発生した11市町における口蹄疫発生地点から半径0.5km、1km、3km、5km、10km、20kmの円周を分断する道路地点数の分析結果、および4)川南町、えびの市、小林市、都城市の防疫担当者への消毒ポイント設置の準備状況のヒアリング結果を踏まえて、どのような地点に、どのような方式の消毒ポイントを設置すれば良いかを検討した。その結果、自治体(市町)の消毒ポイント設置の準備状況を勘案すれば、半径3~5km圏域であればこれらの円周を切断する道路本数は比較的少ないので、交通量の少ない地点の通行止めと組み合わせることによって、防疫ゾーンとして機能させることができる可能性を確認できた。このことから、防疫マニュアルに示されている口蹄疫発生地点から10km地点の主要道路への消毒ポイント設置に加えて、3~5kmにも消毒ポイントを設置して、防疫ゾーンとして機能させることが危機管理の上から重要であると判断される。
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