研究課題
本研究では、都市高速道路における交通状況のオンライン実時間シミュレーションの精度向上のために、各種パラメータをオンラインで自動設定、更新する手法を開発した。これにより、旅行時間の時間変動パタン等に基づく統計的な手法では対応し得ない事故等による突発渋滞発生時に、交通状況の高精度短期予測を実施し、利用者への適切な経路誘導等により時間損失等の軽減を目指した。平成23年度には、交通量-速度の散布図から渋滞検出閾値(臨界速度)を自動設定・更新するKitter+法を開発した。また、臨界状態にあるボトルネック地点での感知交通量(容量値)を、Kitter+法の2回適用で抽出できることを確認した。さらに、首都高速の複数のJCTを対象として、本線交通量を説明変数、合流交通量を被説明変数とする単回帰モデルにより、渋滞時の合流比率をモデル化した。平成24年度には、都市高速のJCT部の車両感知器も対象とした感知交通量のバイアス補正係数の最小二乗推定アルゴリズムを定式化および実装し、首都高速道路東京線の840断面に適用し、ビデオ観測データと比較検証したが、十分な補正効果を達成には至っていない。また、各リンクにおいて交通量-交通密度(Q-K)関係を設定する代表断面を渋滞時の感知交通量のバイアス誤差率、Kittler+法による臨界速度などにより選択する方法を開発した。さらに、Kittler+法を渋滞時の交通量の頻度分布に適用し、渋滞側二層型交Q-K関係を、首都高速東京線において411の代表断面で設定した。平成25年度には、首都高速道路の交通管制システムに実装されている交通シミュレーションシステムRISEに、渋滞側二層型Q-K関係と渋滞時合流比率モデルとを適用できるように改修し、現況再現性を評価検証した。現状では、入力および出力検証用データセットの設定等を見直す必要があり、再現精度は未確認である。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Proc. of 9th European ITS Congress, CD-ROM, 2013
巻: 9 ページ: (CD-ROM)