研究課題/領域番号 |
23560636
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
秋山 孝正 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (70159341)
|
研究分担者 |
奥嶋 政嗣 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20345797)
鈴木 崇児 中京大学, 経済学部, 教授 (70262748)
井ノ口 弘昭 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (10340655)
|
キーワード | 交通計画 / 都市高速道路 / 対距離料金制 / 交通運用 / 知的情報処理 |
研究概要 |
本年度は料金政策を統合化した交通運用について検討した。特に環境負荷を考慮した交通運用と交通制御との関係性を考慮した統合的交通運用について検討した。 1)社会的余剰の概念に環境負荷を導入した。道路効率性に加えて、持続可能性を考慮した交通運用に対応する。また環境税の概念を導入した課金形式について、前年度までに開発された解析方法を適用した。またこの際、既存研究の環境負荷量(CO2)の推計方法に関する研究成果を利用した(井ノ口・秋山)。 2)道路効率性と持続可能性は必ずしも同時に達成されない。このため都市道路網全体の多目的な交通運用を目指した料金政策について実証的に検討した。特に多目的の最適化問題を基本とした交通運用の決定では知的情報処理による算定方法を利用した(秋山・奥嶋)。 3)都市圏全域に対して、道路効率性と持続可能性を考慮した体系的な交通運用方法を提案した。都市高速道路課金による社会的便益について実証的な整理を行うとともに、交通制御と料金政策の有機的な関係性について、具体的に整理した(鈴木・奥嶋・秋山)。 4)最終的な研究整理を行うとともに、都市高速道路課金における現実的な問題点を検討した。統合的な交通運用の構成を示し、今後の研究課題を整理した(秋山・井ノ口)。 最終的には、都市高速道路の料金政策の時間的・空間的な交通運用方策を体系的に整理した。また各年度の研究成果は土木学会・日本交通学会等で報告するとともに、都市高速道路関係機関において現実的な議論を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究は、ほぼ当初の計画通りに進展している。特に大局的な研究成果は予定通り得られている。これらに関連する主要な研究成果を以下に整理する。 1)社会的余剰の概念に環境負荷を導入した解析を実施した。これにより、持続可能性を考慮した交通運用の検討が可能となる。 2)知的情報処理技術を用いて多目的な交通運用を目指した料金政策について検討を行った。 3)都市高速道路課金による社会的便益についての整理、交通制御との有機的な関係性について整理することが出来た。 4)都市高速道路課金における現実的な問題点を整理することが出来た。 ここで得られた成果を整理して対外的に報告・議論することで、更なる進展につながると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
技術的に有益な研究成果の整理のために、関連学会での報告および学術雑誌掲載を行う。平成25年度までに得られた成果を整理して、日本交通学会・TRBなどの研究報告会で討議する。また、阪神高速道路等の実務者と積極的に討議することで実態を踏まえた提案内容とする。これらの討議を踏まえ、見直した上で、学術雑誌に論文投稿を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
学会日程などの関係で、研究成果報告のための旅費および論文投稿料の使用が繰り越された。 平成26年度は、国際会議での報告のための旅費、学術雑誌の投稿料、データ整理のための謝金などの執行を予定している。
|