医療施設内の透析用水の製造工程ならびに原水である水道水中のATP濃度の測定により、生菌の迅速スクリーニングが可能であるか検討した。公共水道と地下水を併用する病院を調査対象として、透析用水原水、製造工程、透析用水および透析液を採水した。ATP濃度が5×10^-13mol/Lを超えると全ての試料から生菌が検出されたが、両者の相関性は確認されなかった。試料の20倍濃縮により大部分の試料からATPが検出され、検出感度の向上に有効であった。ATP測定法は、従来の平板培養法による生菌モニタリングを補う迅速スクリーニング法として、日常的な透析用水の衛生管理に適用できることが示された。
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