研究課題/領域番号 |
23560661
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大野 晋 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40361141)
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研究分担者 |
源栄 正人 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90281708)
柴山 明寛 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80455451)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 地震防災 / 強震動 / 東北地方太平洋沖地震 |
研究概要 |
本研究では,地震直後の被害推定の高精度化をめざし,準即時地震動スペクトル分布の推定において,ベクトル場としての応答スペクトル分布の推定手法及び理論地震動を補助変数とした高精度補間法を開発し,建物モデルを介してその影響の評価を行うことを目的としている。今年度の具体的な検討項目は,(1)観測記録の方向性の検討,(2)数値実験による理論地震動データベース作成,(3)ベクトル場としての応答スペクトル分布の準即時推定手法の開発,(4)理論地震動を補助変数とした高精度応答スペクトル分布推定法の開発であり,各々下記の検討を実施した。(1)については,仙台市内の独自観測網の記録を用いて,近年の内陸地震及び海溝型地震(2011年東北地方太平洋沖地震及びその余震も含む)について,強震観測記録の周期帯域別卓越方位の検討を行った。その結果,短周期についてはばらつきが大きく規則性は見られなかったが,長周期になるにつれ規則性が見られ,仙台市内南部では地震によらず概ね一方向に卓越するが,北部では地震に依存した卓越方向の変化が確認された。(2)については,単純な震源モデルと不整形構造を設定して理論地震動評価を行い,応答スペクトル分布をデータセットとして作成した。さらに,仙台平野の複数の既存3次元地下構造モデルを用いて,平面波入射の際の理論地震動を作成した。(3)(4)については,複素クリギングや複素ニューラルネット,共変数クリギングおよびベイジアンニューラルネットワークの他分野での適用例に関する文献調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で示した4項目のうち,(1)は計画通り,(2)はやや前倒しで進んでいるが,(3)(4)は実検討まで進めなかった。これは主に東日本大震災対応に時間を割かれたためである。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は,(1)実地震に対する理論地震動データベース作成,(2)ベクトル場としての応答スペクトル分布の準即時推定手法の開発,(3)理論地震動を補助変数とした高精度応答スペクトル分布推定法の開発を行う。(1)については,23年度に観測記録の方向性を検討した地震について,既往研究による震源モデルと現実的な3次元地下構造モデルから理論地震動評価を行い,応答スペクトル分布をデータセットとして作成する。同時に,観測記録の方向性との比較を行う。(2)(3)では,まず23年度に作成した単純な震源モデルと地下構造モデルに対する理論地震動に対して手法の適用を行う。次に(1)で作成した現実的な震源・地下構造モデルに対する理論地震動及び実観測記録の順に手法を適用し,適用条件及び精度に関する検討を行う。(2)(3)についてはやや遅れ気味であるが,震災対応に割かれる時間が減る見込みのため,24年度で遅れを取り戻す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は,東日本大震災対応に時間を割かれたこと,次年度発売の次世代CPU/GPUを用いたPCを購入したかったことから,当初予定していた解析用PC購入を次年度に延期することによって生じたものであり,延期した解析に必要な経費として平成24年度請求額とあわせて使用する予定である。24年度はそのPCを購入して解析を進めるとともに,研究補助及び資料収集に謝金を用いる。また,成果発表及び資料収集のために旅費・印刷費・投稿料等を予定している。その他,研究用資料や解析用ソフトウェアの購入を予定している。
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