研究課題/領域番号 |
23560675
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
村上 聖 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (80182088)
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キーワード | 耐爆補強 / 鉄筋コンクリート部材 / 接触爆発試験 / 繊維補強コンクリート / 連続繊維補強材 |
研究概要 |
本研究は、高靱性繊維補強コンクリートを用いた各種構造版の耐爆性能ならびに連続繊維補強材による既存RC版の耐爆補強効果に関して接触爆発試験を実施し、その結果に基づいて爆発荷重に対する損傷低減効果に優れたRC部材の開発を行うことを目的にしている。 本年度は、ポリエチレン繊維補強コンクリート(PEFRC)を用いた各種構造版について、単版、一体型2層構造版、中空層付き絶縁型2層構造版、プレキャストブロック版、空洞付きプレキャストブロック版、鋼管付き単版の接触爆発試験を行い、その耐爆性能について実験的検討を行った。また、連続繊維補強材を用いたRC版の耐爆補強効果について、予備実験として炭素繊維強化プラスチック(CFRP)ロッドおよびポリエチレン繊維(PEF)ネット補強増厚、CFRPプレート、CFRPシート、PEFシート接着補強によるRC版の耐爆性能について実験的検討を行った。 その結果として、前者については、中空層を設けることや鋼管をスポール面に設けることが耐爆性能の向上に有効であること、後者については、スポール面でのコンクリートの飛散片を捕縛できる補強形態が有効であり、その中でシートの積層接着によるシートの破断エネルギーによりスポール発生限界を定量化できることが明らかになった。 以上、本研究の目的である爆発荷重に対する損傷低減効果に優れたRC部材の開発に資する有意義な実験結果が得られたものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、高靱性繊維補強コンクリートを用いた各種構造版の耐爆性能ならびに連続繊維補強材による既存RC版の耐爆補強効果に関して接触爆発試験を実施し、その結果に基づいて爆発荷重に対する損傷低減効果に優れたRC部材の開発を行うことを目的にしている。 本年度は、ポリエチレン繊維補強コンクリート(PEFRC)を用いた各種構造版について、単版、一体型2層構造版、中空層付き絶縁型2層構造版、プレキャストブロック版、空洞付きプレキャストブロック版、鋼管付き単版の接触爆発試験を行い、その耐爆性能について実験的検討を行った。また、連続繊維補強材を用いたRC版の耐爆補強効果について、予備実験として炭素繊維強化プラスチック(CFRP)ロッドおよびポリエチレン繊維(PEF)ネット補強増厚、CFRPプレート、CFRPシート、PEFシート接着補強によるRC版の耐爆性能について実験的検討を行った。 これは、当初の平成24年度研究実施計画に記載の内容に概ね沿ったものであり、次年度の研究実施計画に支障をきたすような研究進捗状況の遅れはないものと考えている。また、本研究の研究成果の一部については、日本建築学会構造系論文集に投稿中の1編が掲載され、さらに投稿中の1編が査読中であり、研究成果の達成度も概ね満足できるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究実施計画通りに、最終年度の平成25年度は、平成24年度に実施した連続繊維補強材で補強を施したRC版の爆発実験結果について、有限要素解析による計算結果と実験結果との比較から、連続繊維補強材がRC版の耐爆性能に及ぼす影響や耐爆補強メカニズムを明らかにすると共に、既存RC部材の連続繊維補強材による耐爆補強工法の仕様を提案する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、所有の有限要素法解析プログラム(DIANA)による解析を実施するために、解析ソフトウェアの年間保守料を計上する。その他に、追加実験として試験体作製費、研究打ち合わせ旅費、研究成果投稿料および研究成果報告書印刷費を計上する。
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