本研究は、環境負荷の少ない小舞土壁構法の再興を目指し、小舞下地および塗付け層の仕様が土壁の具備すべき性質に及ぼす影響を明確にすることを目的とした。 まず、壁土材料の調合が、塗付け作業性、はく離・ひび割れの性状および力学的性質に及ぼす影響を明らかにした。一方で、軸組・貫および土壁層からなる壁試験体を用い、水平力に対する土壁の抵抗機構を把握した。次に、ここで確認した4つの抵抗要素を模擬した要素試験体を用いてせん断加力実験を行い、間渡竹の取付け方法、壁土材料の性質、および塗付け各層の層厚比が、抵抗要素の力学特性に及ぼす影響を明らかにした。
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