木組みによる伝統的な構法は、再生産・再利用が可能な自然素材のみを使った環境負荷の小さい、循環型社会に適した建築技術である。伝統大工技術を用いた補修による構造性能回復の定量的な評価は、重要な研究課題である。本研究では、伝統技術により補修された構造部材で構成される軸組や耐力壁などの実大実験を行い、一部を補修された木造軸組架構とすべて健全な材で構成された木造軸組架構の構造性能と比較して、補修による構造性能回復の効果を定量的に評価した。また、垂れ壁中央に設けられた束による木造軸組への影響を実大実験により明らかにした。
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