研究課題/領域番号 |
23560689
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研究機関 | 群馬工業高等専門学校 |
研究代表者 |
脇田 英治 群馬工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90331991)
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研究分担者 |
脇田 健裕 中部大学, 工学部, 助教 (10469025)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 減衰 / 寸法効果 / 振動実験 / 模型 / 耐震 |
研究概要 |
建築・土木構造物の耐風・耐震設計に必要な減衰特性を縮小モデルの振動実験を利用して求められるようにすることが本研究の目標である。そのための方策として、サイズの異なる構造物間における減衰特性の統一的な評価法と適用性を解明することが本研究の目的である。 これに関して、理論的な研究はかなりの部分まで終えているが、実験・実証的な検証が不十分な状態にあった。すなわち、この研究助成を受けた研究を開始する前に基礎的な理論研究は終了しており、論文も発表されている。その次の段階として、今回の科学研究費補助金を受けた研究の主要な目標は提案した理論の適用性を実験・実証的に検証し、未解明な課題を解決することである。そして、建築・土木構造物の耐風・耐震設計に資する実用的な方法へ道筋を付けることである。 平成23年度における研究の主要な課題は提案理論の実証に最適な実験の計画とそれに基づく模型振動実験に使用する模型の設計・製作、そして、それを用いた振動実験の実施である。 このような計画に基づいて、平成23年度は実験の計画、実験用の模型の設計(動的構造解析・設計計算・設計図の作成)、設計図に基づく模型の製作をまず行った。そして、模型完成後、それを用いた振動実験を実施した。最初の実験は実験計画のねらいどおりの結果が得られているかを検討し、計画を軌道修正するためのものであった。実験後、その解析結果を検討し、今後、実施すべき実験の内容がより明確になり、修正すべき点や追加製作すべき模型部材等が明らかとなった。 このように、実験は必要なすべてのケースを一度に行うのではなく、前の結果を参考にして、次の実験計画を確認、軌道修正しながら多段階的に実施する方式で進めており、平成24年度の半ばまで続く予定である。また、それと並行して実験結果の解析、提案理論の検証、課題の検討などを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では平成23年度中に予定している実験の大半を実施する予定であったが、現状では予定している実験の一部しか終了していない。その原因の1つは予算の交付・事務手続等の遅れにより実験に使用する模型の製作がかなり遅れ、模型材料が納品されたのが11月末であり、12月末に初めて実験が可能になったことである。もう1つの理由は研究計画を見直したことによる。すなわち、当初計画では一度にすべての模型を製作し、実験を行う予定であった。しかし、実験を行う課程で明らかになることが多く、それに基づいて実験計画の修正や、追加実験を行うのがより現実的・効果的であることが明らかとなり、多段階的に実施する方式に実験計画を改めたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究の結果、今後、行うべき実験計画はフィックスしたので、本年度はそれに基づいて予定している実験を精力的に実施する。全実験ケースのうち、そのまま、すぐに実施可能な実験ケースもあるが、新たに部材を追加発注しなければ実験できないケースもある。それらについては必要な部材を平成24年度に追加発注して、それらが届き次第、実験を精力的に実施する。そして、平成24~25年度で得られた実験結果を用いて理論の実証・適用性・実用化に向けた検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の直接経費の費目は「旅費」と「物品費」である。そのうち、「旅費」は実験と研究打ち合わせを行うためのものである。また、「物品費」は主に模型部材の製作費である。すなわち、前述したように、新たに部材を追加発注しなければ実験できないケースがあり、そのための部材製作に必要な費用である。
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