研究課題/領域番号 |
23560697
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
松本 真一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70209633)
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キーワード | 住宅設計 / 環境配慮デザイン / パッシブ暖冷房 / 地域気候特性 / 気候区分図 / 震災復興住宅 |
研究概要 |
本年度の実施計画の要目は、以下の2’と3であり、3:④の段階の成果が不十分ではあるが、以下に記載の通り、全体としては計画を概ね達成することができた。 2’:「(全国規模の)環境配慮デザイン手法適用区分図」の作成…昨年度作成した区分図を全国規模に拡大したヴァージョンを試作した。 3:「デザイン手法適用区分図」の作成論理に基づく「環境配慮デザインの方法論」の構築…昨年度の研究実績である区分図の作成にて適用した論理を整理し(エネルギーまたは炭酸ガス排出量換算)、平易で明解な「環境配慮デザインの方法論」として記述した。(方法論は概略、①各種手法のポテンシャルや効果をエネルギーや炭酸ガス排出量に換算して表示する指標の提示、②地域によって異なるプロトタイプ住宅モデルに対する各種手法の必要度の指標による表示、③①と②の指標に基づく最終的な評価指標の試作と、環境配慮手法の有用性の観点から地域気候特性の定量的把握への応用の検討、④③に応じた環境設計の実施とシミュレーションを援用しての最適化、からなる。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べた、3:④が実施可能な段階まで到達したのが、工程計画よりも約3ヶ月遅れた25年1月になり、さらにシミュレーションに関する効率のよい開発と実施のための専用コンピューターが必要となるという予想外の事態となり、この部分の進捗が十分ではなく、交付申請書に記載した計画の85%程度の達成度と考えるが、本助成によりかなり高速で効率のよいシミュレーション環境が実現したため、来年度の早い段階で十分挽回が可能であるため。
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今後の研究の推進方策 |
過去2カ年の研究実績を踏まえ、本年度はいよいよ、以下に記載の4~6の研究工程に進むが、4と6の工程には集中した作業を要するため、まとまった研究時間の確保に務めることが肝要である。 4:「環境配慮デザインの方法論」実践のための「分析ツール群」等の開発…特定の手法が地域ごとに評価できる一連の分析ツールを作成し、設計者の判断材料として提供する。また、既開発の住宅用熱負荷計算プログラムを、デザイン手法の総合的最適設計ツールとして使えるよう、エネルギー消費量や炭酸ガス排出量の予測評価が可能なものに改造する。 5:「環境配慮デザインの方法論」に基づく設計資料の作成…いくつかの地点に対する例題を準備し、4の研究成果の適用過程などの結果を説明する資料を作成する。また、環境設計の基礎となる図版やマップを作成し、資料として整備する。 6:「環境配慮デザインの方法論」、「分析ツール群」および設計資料の公開準備:研究成果を取りまとめ、ネットワークサーバーを構築して、成果の発信を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の通り、最終年度である次年度は、分析ツール群の開発や数値シミュレーションの実施を予定しているが、これには、昨年度に導入したパソコンで十分であるが、ネットワークサーバーを構築する必要があるため、①さらにもう1台のパソコン一式と、②関連するソフトウェア、③関連する周辺機器を要する。また、最終年度であるため、研究成果の発信のため、④研究発表のための旅費、⑤成果物の印刷も必要となる。研究費は主として、ここに述べた①~⑤に充てる予定である。
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