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2011 年度 実施状況報告書

窓開閉アドバイザーのための窓開閉判断ロジックの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23560703
研究機関東京理科大学

研究代表者

長井 達夫  東京理科大学, 工学部, 准教授 (00316001)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード通風 / モニター / 温熱 / エアコン / エネルギー / 窓
研究概要

居住者へ、窓の適正な開閉方法を指示する「窓開閉アドバイザー」について、初年度は、居住モードごとのアドバイザーの利用価値の有無、および居住モードごとの窓開閉指示に必要な情報および指示方法の検討、を中心に検討を行った。居住モードとしては、1) 就寝時、2) 非在宅時、の2つのモードを対象とした。 1)の就寝時の検討では、窓を開閉して就寝することによる明け方の冷えすぎの問題に着目し、明け方の最低室温を予測・提示するシステムを目的とし、どのような要因が明け方最低室温に影響を与えるかをシミュレーションにより検討した。その結果、翌日の外気温予報等を用いなくとも、就寝する時点の室温を説明変数として用いればある程度の精度で明け方の最低室温が予測できることを確認した。 また、2)の非在宅時の検討では、外出時点において窓を開けたまま外出したほうが好ましいのか、閉めた状態で外出した方が良いのかをシミュレーションにより検討した。その結果、顕熱負荷としては、外気温によらず開放したまま外出した方が好ましいという結果になった。しかし、潜熱負荷も合わせて考えると、窓を開けた方が好ましい日と、閉めた方が好ましい日に分かれる場合があることが分かった。すなわち、このような場合に窓開閉アドバイザーが有効であるということである。この結果を受けて、非在宅時の室温を予測・表示することを目的とし、過去の外気温・室温等の実績データから学習データベースを構築し、予測当日の条件に近い実績データを抽出するという方法により予測可能かどうかをシミュレーションにより検討した。その結果、ある程度の精度で予測可能であることが分かったが、学習のための期間が数年以上と非常に長く実際的な予測方法として改善の必要があることが分かった。 この他、窓開閉アドバイザーの試作機を作成し4件の被験者によるモニター試験を行い、当該装置の使用感を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究の目的」に掲げた研究事項のうち、「熱・換気回路網計算プログラムによる検討を通じて、在室時、外出時、就寝時などの各居住モードについて、内外環境条件をもとに適正な窓開閉パターンを導く判断ロジックを導出する」部分について、外出時と就寝時の検討をほぼ終了したことが理由である。ただし、外出時において、実用的なシステムを構築するには、必要な情報量を少なくする必要があり、そのため「おおむね」という評価とした。

今後の研究の推進方策

まず、一般の居住者を対象に、夏季の窓開閉と冷房使用に関するアンケートを実施し、窓開閉アドバイザーのニーズに対する調査を実施する。具体的には、窓開閉と冷房に関する現在の使用状況、どのような条件で窓開閉や冷房on-offについて悩むか、就寝時間における窓開閉や冷房使用の判断に困ることがあるか、等を調べる。つぎに、このニーズ調査をもとに、今年度のアドバイス機能について、どこに焦点を当てるかについて検討を行う。例えば「就寝時の窓開閉・冷房使用について適正な方法をアドバイスする」等である。夏前までに、上記のアドバイス機能を組み込んだ窓開閉アドバイザーの試作機を作成し、モニター調査によりその有効性を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

事前のアンケート調査、及び夏季に実施するモニター調査のための謝金が必要となる。また、窓開閉アドバイザーの更新のために、必要な温湿度センサー、モニター機器(試作段階では小型パソコンを流用する)等を購入する。また、判断ロジックの検討のための数値計算ソフトウェア等を購入する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 効率的自然通風利用のための窓開閉アドバイザーに関する研究 (その2)窓開けと冷房の併用と複数開口部の効果的な開閉方法の検討2011

    • 著者名/発表者名
      石原康匡, 長井達夫, 水井勇介
    • 学会等名
      空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011.9.15

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公開日: 2013-07-10  

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