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2011 年度 実施状況報告書

農村勤労者の社会的孤立と居場所づくりに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560713
研究機関千葉大学

研究代表者

齋藤 雪彦  千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (80334481)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード個人化 / 孤立 / 余暇生活 / 都市近郊農村 / 中山間地域 / 大都市 / コミュニティ / 地域再生
研究概要

本研究は都市近郊農村、中山間地域、大都市地域、小都市地域において、余暇生活の個人化と孤立の程度がどの程度進行しているかを定量化し、無縁社会といわれる昨今、コミュニティの再生や見守りの施策に資する基礎資料となるべき方法論を提示しようとするものである。本年度はアンケート調査を静岡県梅ケ島地区、松戸市三矢小台地区、札幌市金山地区において実施し、農村勤労者の孤立や個人化の状況を大都市地域と比較しながら明らかにすることができた。なおアンケートは複数の自治会よりなる連合自治会を単位として、1000~2000世帯による地域を選定し、可能な地域では連合自治会の協力を得て、配布と回収をお願いすることとした。協力が得られない地域では、ポスティングにより配布し、郵送の回収を行うこととした。大都市においても首都圏地域と地方圏地域では値が大きく異なり、中山間地域では大都市とは相当異なる値が観察できた。また大都市では若年層の地域組織への不参加が目立つが、中山間地域では逆に若年層の方が地域組織への参加が積極的であった。またデータの取り方について具体的には地域組織、地域のつきあい、近所つきあい、地域外組織、地域外のつきあいの各項目における活動頻度の合計から、各サンプルの孤立や個人化の状況を把握するとともに、地域内孤立、社会孤立、親戚での孤立、世帯としての孤立を全体の割合から数量化することができた。これは今後深刻となる孤立死対策などに援用可能な手法と言える。次年度以降ではヒアリング調査によりその要因分析を進め、都市近郊農村での比較研究を進めることとしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アンケートは中山間1か所、大都市地域2か所で順調に回収でき、相当なサンプルが回収できたため。

今後の研究の推進方策

次年度は、中山間地域、大都市地域において、ヒアリング調査を進め、各地域数十件のサンプルを取り、各階層、つまり高齢層、地域外勤労層、地域内勤労層、主婦層、男女毎に聞き取りを行い、各個人化・孤立化の指標を聞いたうえで、この要因となる状況を詳細に明らかにしることを目的とする。基本的には昨年度対象地の地区関係者に現在、ヒアリング調査の打診を行っている状態であり、不幸にして協力が得られなかった場合には新たな対象地を選定し、ヒアリングの交渉を行う予定である。基本的にはその場合でもアンケート対象地域に近い同一の地帯区分である中山間地域、大都市地域を考えている。

次年度の研究費の使用計画

次年度は詳細なヒアリング調査を行うため、調査対象地に挨拶や説明会も含め、各対象地20回前後の訪問が必要となり国内旅費を充当する。一方、詳細なヒアリングにより、口述記録を残すため、学生によるテープ起こしを行うこととし、謝金を充当する。さらにイギリスにおける本テーマに関わる状況を調べるため、1週間程度、渡英し、大学関係者と意見交換を行いたい(国外旅費)。さらにこれまでの成果を順次、学術論文として投稿するために、投稿費を支出したい(その他)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 都市近郊農村地域における余暇生活とその個人化、孤立に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      齋藤雪彦
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 77-673 ページ: 543、552

    • 査読あり
  • [学会発表] 地域資源管理に関わる担い手形成の課題としての地域生活の個人化・孤立化2011

    • 著者名/発表者名
      齋藤雪彦
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演梗概集
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2011.8.23

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公開日: 2013-07-10  

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