研究課題/領域番号 |
23560722
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
阪田 弘一 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (30252597)
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研究分担者 |
森田 孝夫 徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (90107350)
高木 真人 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (10314303)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | ALS / 非専門主体 / 住環境整備 / 在宅独居 |
研究実績の概要 |
ALS患者の在宅独居患者への非専門主体による支援可能性を考える上で独居事例では果たせなかった整備手法も視野に入れ、同居事例を含む患者世帯7事例を対象に発症時から現在まで、ALSの特徴である進行する病状とともに、患者と介助者、住環境がどのような変遷を辿ってきたのかを追った。 全ての事例で病状進行に合わせて発生する課題群に対し、住環境・介助体制の両方を継続的に変化させていた。大きく①介助者の主たるスペースと患者療養室の配置に関する対応、②伝い歩きから車椅子使用へという移動障害の進行にともなう対応、③その他病状進行にともなう吸引器・人工呼吸器など医療機器設置への対応、④介護用品収納・管理への対応、が共通課題として発生し、うち①②④の対応には住まい方の形態の違いが少なからず影響を与えていた。別居では療養室と他人である介助者が待機するスペースを分離し、諸室が家族に占有されている同居では療養室と待機スペースが同室の形をとる傾向にある。移動障害にともなうスロープや手すり、リフト設置などの改修では総じて、病状進行に間にあわない、改修のサポートをする人材がいないなどの理由から介護保険などの制度をうまく活用できていないが、同居かつ持家のほうが伝い歩きの段階から家族介助者の手で各室に手すり設置するなど細やかに対応できている事例は多い。一方、病状進行により過去の改修内容が不要になる事例も散見された。収納・管理では、独居ではできるだけ療養室に収納し患者見自ら管理できるようにしている。同居では療養室以外にも収納場所が広がり、管理は家族介助者が行っている。 以上、制度活用・療養初期からの細やかな空間整備・病状進行にともなう整備ニーズの変化などに対応できる知見の有無は、独居患者の負担緩和や非専門主体の支援可能性を左右すると考えられる。
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