研究課題/領域番号 |
23560731
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研究機関 | 独立行政法人建築研究所 |
研究代表者 |
米野 史健 独立行政法人建築研究所, その他部局等, その他 (60302965)
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キーワード | 民間非営利組織 / 住宅供給 / 住宅管理 / 支援システム |
研究概要 |
研究3年目である平成25年度は、昨年度に収集作業を行った、住宅に関する供給管理・普及啓発・入居支援等の活動を行っている特定非営利活動法人の活動報告資料について、内容の確認と分析の作業を行った。これより近年の特徴として、平成23年10月に制度が開始されたサービス付き高齢者向け住宅の取り組む団体が多く確認されたほか、平成23年3月に発生した東日本大震災での仮設住宅の支援活動や復興住宅等の実現に取り組む団体が一定数確認された。 このような状況を踏まえつつ、高齢者向けの住宅の供給管理や入居支援の活動、及び東日本大震災からの住宅再建に関する活動について、特定非営利活動法人をはじめとして社会福祉法人等も含めた団体の活動実態と収支状況に関する情報収集及び事例調査を昨年度に引き続き実施した。 これらの調査より、サービス付き高齢者向け住宅に関しては一定期間の経営状況を分析するには開始3年程度の情報を収集すべきであること、及び東日本大震災の復興住宅に関する活動については全体に遅れており引き続き継続した実態の把握が必要であることから、当初平成25年度で終了の予定だった研究期間を1年間延長することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」で記した通り、住宅に関する民間非営利組織の活動として特徴的にみられる、サービス付き高齢者向け住宅をはじめとする高齢者住宅の供給・管理や、東日本大震災後の復興住宅に関する取組は、近年始まったものであり取組に関しては今しばらくの継続的な状況把握が必要となる。 これらのような活動や事業を行う団体を支援するための社会システムについても、活動実態がしっかりと見えてこないと検討が出来ないため、作業としては全体に遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、民間非営利組織による住宅関連活動として近年の中心的・特徴的活動である、サービス付き高齢者向け住宅をはじめとする高齢者住宅の供給・管理や東日本大震災後の復興住宅に関する取組について、取組開始後3年強が経過した平成26年度において、この間の経緯と取組の実態、及び収支の状況などの把握を行う必要がある。 そのため、活動報告資料の収集作業に関して平成24年度の実施後の2年間分の資料を新たに収集するとともに、過去3ヶ年で行ってきた活動団体及び取組事例のヒアリング調査を引き続き進める。以上を踏まえて、東日本大震災における特別な支援の仕組みも含めて、支援のシステムに関する検討を行うとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
住宅の供給管理事業の実態を把握してきたが、昨年度実施のNPO法人活動報告資料の収集作業では、平成23年10月に制度が開始されたサービス付き高齢者向け住宅に取り組む団体が多く確認され、一定期間の経営状況を分析するには開始3年後の平成26年度までの継続調査が必要と考えられたため、本年度に予定していた活動報告資料の収集・分析作業は来年度に延期することとしたことで、次年度使用額が生じることとなった。 また、東日本大震災の復興住宅に取り組む団体も一定数あったが、再建は全体に遅れており実態を把握するには平成26年度までの調査が必要と判断し、研究期間を1年延長することにしたため、次年度使用額を残す形とした。 サービス付き高齢者向け住宅や震災復興住宅をはじめとする住宅供給管理事業の最新の活動・経営状況を把握するため、昨年度と同様のNPO法人活動報告資料の収集作業を行い直近2年分の資料を収集する予定であり、そのための作業費(資料整理補助者への謝金など)として用いる。また、上記のような住宅供給管理事例を手がける団体へのヒアリング調査を行うとし、そのための調査旅費、協力者謝金、資料購入・複写費として使用する。
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