研究期間を1年延長し最終年度となる平成26年度は、一昨年度に収集作業を行った、住宅に関する供給管理・普及啓発・入居支援等の活動を行っている特定非営利活動法人の活動報告資料の収集を改めて行い、直近2年程の間に提出された資料に加えて、近年新たに設立された団体に関する資料も含めて、全国の約4200団体について収集作業を行った。 その上で、住宅の供給管理を活動に位置づけている約2600団体に着目し、供給の対象者としては高齢者や障害者等のいわゆる住宅確保用配慮者が主に想定されていることを示した。さらに事業報告書の記載内容から実際に供給運営を行っている団体として約900団体を抽出して、それぞれの団体が整備した住宅の種類や土地建物に関する所有関係、整備の際の資金確保の方法、及び管理運営の採算状況などについて、全体的に状況を把握しタイプ別の整理を行った。これより、建物を賃借しての整備では、空き家等を借り受けての改修が行われ、その資金は団体関係者の私的な貸付等が多く見られた。一方、土地や建物を所有する形の整備では、新築による整備も行われ、金融機関からの借入で調達する場合が多かった。また、管理運営に関しては、介護保険等の公的制度に基づく収入がある場合は比較的安定するが、そうでない場合は成り立ちにくい状況がみられた。 また東日本大震災の住宅復興に関して、住宅供給・管理事業を行う団体の状況を把握すべく、被災県・市町村や現地で支援を行う非営利団体等へのヒアリング調査を昨年度に引き続いて実施した。これより、応急仮設住宅に対する入居後の支援活動は各地で実施されているが、恒久的住宅の供給に関してはいくつかの提案がなされ広く資金調達が行われた場合もみられたが、供給に至った事例は少ないことが確認された。
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