近年、マレーシアの社会は著しい経済成長と開発を受け、多民族で構成される居住地にも影響を与えている。一連の研究では1990年代から8箇所の居住地(市街地、農村、住宅団地など)において現地調査を行なってきた。ことなる環境下における民族混住の状況と生活空間をとらえようとした。本研究ではこれらを再訪問し1990年代と2010年代の変化を比較して同国の生活空間の動向をとらえた。研究では民族混住の状況の変化を指摘した。それらは居住パターン、混住周辺領域の空間利用、住空間に現れていた。ここでは家賃などの経済的側面だけではなく居住者間の文化的な親和性が影響し、この状況は常に変化の過程にあることが指摘できた。
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