環境配慮・長期利用型建築物の普及のための資産価値評価に関する研究の最終年として、建築物や環境の価値に関する取りまとめを行った。中古住宅流通の活性化のために適切な建物評価手法の確立が喫緊の課題として社会的に注目されるようになったことを踏まえ、その実現のためには建物の長期利用が不可欠であることより、研究成果を当該視点から取りまとめた。その成果として、「中古住宅流通促進のための建物評価の課題」(資産評価政策学 15巻2号 通巻27号 資産評価政策学会 2013年11月発刊予定)を公表した。また、このような視点を普及していくためには啓蒙活動が不可避であることより、「建物評価の今日的課題」(公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会 2013年11月8日)、「中古住宅の流通促進・活用と不動産鑑定評価」(社団法人 埼玉県不動産鑑定士協会 2013年12月13日)、「中古住宅の未来~あなたの家の活かし方」(公益社団法人 高知県宅地建物取引業協会 2014年2月27日)などの講演を行い、専門家および一般消費者双方に対して研究成果の開示と意識変革を訴えた。さらに、国土交通省の「中古住宅に係る建物評価手法の改善のあり方検討委員会」委員として研究成果の政策反映に努力した。研究課題の一つであったPREにおける建築物の長期利用と環境配慮については、研究成果を踏まえ、「公共用不動産の利活用」(郡山市 2014年1月31日)などにより、PREの方向性について啓蒙を行った。
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