研究課題/領域番号 |
23560739
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
志村 秀明 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (10333139)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 地域貢献 / 連携 / 大学 / 貢献学習 / 教育 / まちづくり |
研究概要 |
本研究は、米国の大学等で実践されている社会貢献の取り組みや社会貢献学習プログラムを我が国に導入すると共に、我が国の実状に合致するように改良を加え、「まちづくりと連動する社会貢献学習システム」として確立することを目的としている。2011年度は、研究代表者の留学のためやむなく中断した2008年度の科学研究費補助金による研究を継承し、また成果を進展させることで、米国における大学の地域貢献活動の体制を明らかにすることを目的とした。研究実施計画は、東日本大震災により若干修正することになったが、以下のように成果をあげることができた。(1)米国における大学の地域貢献学習に関する実態解明:2008年度の科研費研究の成果をまとめ「大学におけるまちづくり地域貢献教育-米国の総合大学を事例として-」日本建築学会技術報告集、第35号、2011.2を国内で発表していたが、更にUIA 東京大会(9月)でも発表し、国際的な評価を確認した。(2)East St. Louis Action Research Projectの実地調査:9月に、イリノイ州イーストセントルイス市でイリノイ大学が継続して行っている地域貢献教育の実態調査を行った。これは1987年から実施しているもので、都市の荒廃による問題を住民やNPOと共に改善しようとするプロジェクトであり、大学の学部・学科が横断的にプロジェクトに参加し、多くの学生が参加している。その実態とヒアリング調査を行った。この調査の成果は2012年度中にまとめる予定である。(3)復興まちづくりにおける大学の地域貢献活動に関する調査:東日本大震災からの復興を目指すまちづくりが各地で行われている。多くの大学の研究者や学生が支援に乗り出しており、地域貢献教育の一環として、支援活動が大学の単位認定となる大学が増加した。このような動きを把握するために、岩手県北上市や福島県の各地で調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国における大学の地域貢献学習に関する実態解明については、予定通り成果をあげることができ、国内での論文(査読付)発表に続き、国際学会でも発表した。研究成果を広く発信することができ、また成果内容に関する評価を確認することができた。 East St. Louis Action Research Project は、米国の大学が実施している地域貢献学習プログラムの中で、最も長期間継続し、かつ多くの学部・学科が参加しているプログラムである。その実態調査を行えたことは、本研究にとって大きな進展であった。 復興まちづくりにおける大学の地域貢献活動に関する調査については、当初予定していたものではなかった。2011年3月11日の東日本大震災によって、東北各地で復興まちづくりが始まった。そこでは多くの大学研究者と大学生が支援活動を開始した。この動きは、本研究テーマと強く関係しているため、急遽調査に着手したものである。岩手県、宮城県、福島県の大学の地域貢献活動と、学生の支援活動に対する単位認定状況について把握している。 以上のように、概ね研究計画通り研究を進めている。しかし東日本大震災からの復興まちづくりにおける大学の地域貢献活動・教育については急遽着手したものである。そのため、総合的な達成度の評価は「概ね順調に進展」とした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、「米国における大学の社会貢献学習に関する実態解明の成果発表」「大学の地域貢献に関する国際的な議論の活性化と、我が国における地域貢献の体制とプログラム検討」「我が国における大学の地域貢献活動の新展開に関する調査」の3点から研究を進める。 まず「米国における大学の社会貢献学習に関する実態解明の成果発表」については、詳細まで実態調査を行ったEast St. Louis Action Research Project について、研究成果をまとめ論文発表する。 「大学の地域貢献に関する国際的な議論の活性化と、我が国における地域貢献の体制とプログラム検討」については、大学の地域貢献学習を実施している研究者と、我が国において先進的に社会貢献学習を行っている研究者らとの意見貢献の機会を設ける。国際的な議論の方法は、一同が集合する会合ではなく、インターネットの電子メール機能やスカイプ(インターネット電話)を用いることを基本とする。また、米国における大学の社会貢献学習に関する実態調査の成果を踏まえて、我が国に導入可能な社会貢献学習のための体制とプログラムの試案を作成する。 「我が国における大学の地域貢献活動の新展開に関する調査」については、2011年度に引き続き、東日本大震災の被災地などにおける大学の地域貢献活動の新たな展開について調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
2011年度に、東日本大震災の被災地における調査を急遽実施したため、当初予定していた米国などでの調査を十分に実施できなかった。2012年度は、3回ほどの海外出張を予定しており、そのための海外出張旅費が発生する。また東北各地の調査を実施するために、国内出張旅費が発生する。 金額が大きい機材・機器の購入は予定していない。
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