本研究は、米国の大学等で実践されている社会貢献の取り組みや社会貢献学習プログラムを我が国の実状に合致するように改良を加え、「まちづくりと連動する社会貢献学習システム」として確立することを目的としている。2013年度は、①研究代表者の所属大学(芝浦工業大学)と地域との連携活動の方法論化、②東日本大震災からの復興支援の実践、の2点から研究を進め、以下の成果をあげた。 ①芝浦工業大学と地域との連携活動の方法論化:江東区内の小学校や市民と連携して、地域資源探しと地域資源への共感を育むための方法を実践的研究により開発した。その成果を査読論文「小学校・大学・住民の連携による「まちのカルタづくりワークショップ」の開発」日本建築学会技術報告集、第44号、2014.2で発表した。また、地域と連携して研究した景観形成・緑化促進・インターネットを用いるまちづくりの促進方法に関する成果について学会で発表した。 ②東日本大震災からの復興支援の実践:芝浦工業大学に近い東雲住宅に、福島県原発事故避難地域からの多くの避難者が生活している。その避難者への支援活動を行いつつ研究を行っている。その成果を「遠地長期避難者に対する受入側の支援方法 -東京都江東区「東雲住宅」を事例として-」にまとめ日本建築学会・東日本大震災3周年シンポジウム・復旧復興支援まちづくり展2014.3で発表した。 3年間の研究期間全体を通じての成果として、3本の査読論文での発表、また学会において多くの研究発表を行った。また米国といった海外の研究者との研究交流を行った。最も大きな成果は、芝浦工業大学が、2013年度から文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」に採択されたことである。この審査過程において、研究代表者の研究成果が大きく貢献した。今後、この事業を通じて研究を発展させていく。
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