研究課題/領域番号 |
23560742
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
浦部 智義 日本大学, 工学部, 准教授 (10409039)
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研究分担者 |
上野 佳奈子 明治大学, 理工学部, 准教授 (10313107)
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キーワード | 病院建築 / 医師 / 意識調査 / 観察調査 / 移動 / 歩数計 / 医局 / 診察室 |
研究概要 |
研究開始当初に調査対象候補病院として予備調査を行った福島県内の4つの中核的病院のうち、本年度は、昨年度本調査を行った1病院への追加調査に加え、もう1病院(予備調査時から一部改築が行われ、現在も改築中である)の調査を行った。 調査・分析の具体的な内容については、まず ①医師が勤務時間中に利用する諸室(医局・診察室・病室など)のあり方や利用行為等に関する調査票の設計を行い、それによる意識調査を行った。また ②歩数計を用いた医師の移動に関する記録方法の検討を行い、実際に万歩計を携帯してもらい勤務時間中の歩数の計測と記録、並びに調査票を用いて移動に関する意識調査を行った。さらに ③外来や管理部門の廊下を中心に記録員を配置して、医師の移動に関する観察調査を行い、医師の移動を客観的に実態把握した。 同規模の2つの地方の中核的病院を対象に、上記①~③の調査・分析を行えたことで、勤務時間中の医師の諸室利用に関する意識 や、諸室間も含めた移動実態、さらにその意識について明らかにし出来、次年度以降にその比較分析並びに総合的な分析を行える基盤ができた。また、可能な限りではあるが、その調査・分析結果をもとに病院の管理・運営者等へのヒアリングを行う準備が整った。 なお当初に調査対象候補として残り2病院に関しては、東日本大震災及びその後の原発事故による被災地であるため、調査対象の選定や調査方法については病院側に過度な負荷を与えないことなどに留意して、現在も病院側と折衝を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画においては、本年度までに幾つかの中核的病院に調査・研究協力の打診を行い、複数の病院から承諾を得て、意識調査や観察調査を行う計画としていた。結果的には、4つの病院に調査・研究協力の打診し、本年度まで、承諾を得られた2つの病院で本調査を行え、意識調査や観察調査について比較分析できるデータが得られたことから当初の計画通りに進んでいる(他の2つの病院に関しては、本年度には承諾を得られずに、調査を行う場合は次年度以降も再度調整が必要)一方、病院の管理・運営者等へのヒアリングは十分に出来なかった。また、2つの病院の本調査の結果から、予備調査時の一部が本調査として活用できることが分かり、意識調査の分析の一部は予備調査のみの2つの病院を合わせて4つの病院で比較分析が行えることなどを鑑みて、上記の区分と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、医師不足等の地域医療が深刻な問題となっている地方(ケーススタディとして福島県を想定)の中核的病院を調査対象として、今日まで患者や看護職員に比べて研究対象とされて来なかった医師の立場から見た病院建築の全体及び諸室の平面・空間計画、環境性能等への意識・評価及びその要因を明らかにすることを目的としている。 その様な当初の研究計画に沿った形で、今日まで十分な研究報告がなされていない ①医師の勤務時間中の滞在場所・滞在割合、②診察室・医局など医師の利用諸室に関する意識調査、③外来や管理部門を中心とする医師の勤務時間中の動線といった項目で、医師の 実態や意識とその要因が明らかにする。 それらに関して、まず、昨年度まで本調査を行った2つの病院のデータを中心(②や①の一部は4つの病院のデータ)に、それらを医師の立場から見た病院建築の評価として比較分析し地方の中核的病院建築の計画要件として整理して、今後の設計者・計画者や施設管理運営者にも有益な基礎的資料を示す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、現在までの調査で得られた膨大なデータを整理・分析するための作業員の謝金はじめ、分析ソフトや記録媒体の購入、さらに、その分析結果を用いての病院の管理・運営者等へのヒアリング等のための事前打ち合わせの旅費が必要となる。また、本研究成果を外部に発表する際の諸費用の他、追加で本調査が可能となった場合には、最低限の記録員の調査旅費や謝金なども必要となる。
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