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2012 年度 実施状況報告書

学校運営からみた小学校におけるオープン型教室の成果と課題に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560745
研究機関東京都市大学

研究代表者

山口 勝己  東京都市大学, 共通教育部, 教授 (30200611)

キーワード小学校施設 / オープンスペース / オープン型教室 / 施設評価 / 学校運営
研究概要

1.全国の人口3万人以下町村に対する学校施設整備に関するアンケート調査 : 全国の人口3万人以下の町村に対して、小中学校の施設整備状況や整備課題に関するアンケート調査を実施した。以前に実施した人口3万人以上の市区町村調査と合わせることにより、全国の自治体におけるオープン型教室の導入状況について把握することができた。また、オープン型教室導入校の平面図や面積についての資料も収集しており、25年度に小規模校におけるオープン型教室の物的特性について分析を進める予定にしている。
2.オープン型教室の整備に関して特色のある市区町村に対する訪問調査 : 近年、オープン型教室導入校を建設した自治体に対して訪問調査を実施した。学校建設担当者に対してヒアリング調査を行い、自治体全体の学校施設整備状況、オープン型教室導入の理由や成果、留意点などについて把握することにより、オープン型教室の成果と課題を明らかにすることができた。
3.先進的な取り組みを進めてきた自治体、学校に対する訪問調査 : 我が国において、初期にオープン型教室を導入し様々な取り組みを進めてきた自治体及び小学校に訪問調査を行い、オープン型教室を活用した学習が成立する条件などを把握した。
4.オープン型教室に対する教員評価の比較分析 : 23年度に実施した富山県I市の3小学校を対象とした教員アンケートに、それ以前に実施した秋田県3校、東京都3校のアンケート結果を合わせ、9校の学級担任のオープン型教室に対する評価について比較分析を行った。9校を教室とオープンスペースの境界のつくりに着目して分類し、分類別に評価結果を比較することにより、境界のつくりの違いによって利点・問題点、音・視線の問題の状況に違いがあること、教師は必要な時に完全に締め切ることのできる境界を求めていることを明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この研究の中心となる以下の3つの目的について、予定していた成果を上げることができたことにより「おおむね順調に進展している」と自己評価している。
1.オープン型教室の全国的な導入状況については、24年度に実施した調査により、ほぼ把握することができた。
2.オープン型教室を導入した自治体及び設置の見直しを行った自治体に対して、23年度、24年度にわたり現地訪問調査を行うことによって、オープン型教室を導入する目的と整備方針、オープン型教室設置を見直すに至った経緯、理由、現在における小学校施設の整備方針などに関して把握することができた。また、初期にオープン型教室を導入し、その後の普及に大きな影響を与えた3校を訪問調査することができ、校舎が建設されてから現在までのオープン型教室を活用した取り組みについての変化や、オープン型教室を取り巻く状況の変化について把握することができた。
3.オープン型教室をもつ小学校9校に対する教員アンケートを総合的に分析することにより、教室とオープンスペースの境界のつくりの違いがオープン型教室への評価に大きな影響を与えていることを明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

23年度、24年度の研究によって、全国自治体におけるオープン型教室導入校の実態について把握した。また、自治体としてオープン型教室導入について見直しをしている事例も複数確認できたため、最終年度としては、ある程度の人口規模の自治体、つまり、小学校数が多く、今後改築が継続して進む可能性のある自治体について、全国的な状況を捉えることを目的とする資料収集およびアンケート調査を実施する。合わせていくつかの自治体に訪問調査をすることによって、今後のオープン型教室のあり方について検討し、考察を加える。

次年度の研究費の使用計画

25年度には主に以下の調査を予定している。1の調査は24年度から開始する予定だったものであるが、23年度からの調査の遅れが影響して25年度スタートになった。また、2の調査で予定している教室における騒音測定についても、23年度に予定していたものである。以上のように24年度に実施できなかった調査があるために残額が生じたが、これらの調査を25年度に実施することによって残額を含めて使用する予定である。
1.全国の大規模市区町村に対する資料収集調査およびアンケート調査
全国の大規模市区町村に対する小学校施設の整備状況と整備方針に関する資料収集調査およびアンケート調査を実施する。収集する資料の内容は、オープン型教室を有する小学校の施設資料及び小学校施設の整備を進めるにあたり策定した整備指針・改築指針等である。調査を実施するために、封筒などの消耗品や郵送代を必要とする。
2.オープン型教室もつ小学校を継続的に建設してきた市区町村に対する訪問調査
1で調査した市区町村より、これまでオープン型教室を継続的に建設してきた市区町村をいくつか抽出して訪問調査を行い、オープン型教室導入の活用状況、成果、課題や今後の施設整備方針および方針策定に至る経緯などについて把握する。自治体訪問調査のために旅費および同行する調査協力者に対する謝金が必要となる。また、合わせてオープン型教室をもつ小学校に対する訪問調査も行い、騒音レベルの測定も行う計画である。そのために未購入であった騒音計を購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 小学校におけるオープン型教室の境界のつくりと利用状況 -T県の公立小学校におけるオープン型教室の評価と課題に関する研究 その1-2012

    • 著者名/発表者名
      屋敷 和佳、山口 勝己
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: E-1 ページ: 109~110

  • [雑誌論文] 小学校のオープン型教室に対する教員の評価 -T県の公立小学校におけるオープン型教室の評価と課題に関する研究 その1-2012

    • 著者名/発表者名
      山口 勝己、屋敷 和佳
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: E-1 ページ: 111~112

  • [雑誌論文] 自治体の人口特性からみた学校施設の整備課題と整備計画に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      米田 亮樹、山口 勝己、屋敷 和佳
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: E-1 ページ: 195~196

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公開日: 2014-07-24  

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