本研究では,戦前期の日本の影響下にあった地域全てでみられたほぼ唯一の産業であった製糖業によって形成されたネットワークを対象として取り上げた。ネットワークに属する鉄道,工場と社宅街,それらによって影響を受ける周囲の集落や都市などがどのように形成されたのかを明らかにしようと試みた。実際には,多くの製糖工場が建設された台湾に主に焦点を当てて現地調査を行い,全44カ所の工場と社宅街の位置や範囲を同定した。また,北海道における製糖業の専用鉄道について詳細を明らかにし,樺太における製糖工場と社宅街の詳細も明らかにした。
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