農林水産業関係の建築遺産は、これまで着目されておらず、とくに生産や加工に関わる施設(建築物、工作物、仮設物等)についての調査研究は少ない。本研究では、静岡県を例に調査を行い、その歴史上や景観上の意義を明らかにした。 調査の結果、農林水産業の施設が形成する特徴ある景観は、季節の一時期だけしかみられないものが多いことが判明した。また、生産・加工に関わる施設は、長い年月の中で現在の形になったことが判明した。各種の産物は、地形や気候風土が作用するため、関連する施設も地域の特徴を生かした形になっていることも判明した。
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