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2011 年度 実施状況報告書

森田慶一と増田友也を中心とした京都学派の建築論に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23560777
研究機関福井工業大学

研究代表者

市川 秀和  福井工業大学, 工学部, 准教授 (60293411)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード京都学派 / 建築論 / 森田慶一 / ウィトルウィウス / エウパリノス / 増田友也 / ハイデッガー / 京都大学
研究概要

本研究課題「森田慶一と増田友也を中心とした京都学派の建築論に関する基礎的研究」の3カ年における初年度の平成23年度では、以下の2点が具体的な成果である。(1)森田慶一によるわが国初の邦訳となったウィトルウィウス建築書とその研究(博士論文:昭和7年)にみられるギリシア志向の特質を明らかにする作業を着実に進めつつ、その過程からヴァレリー「エウパリノス」へと展開する重要な契機を見出すことが出来たと考えている。これについては、次年度も継続して考察する。(2)森田慶一の建築論構築にとって重大な意義があったと思われる研究環境、つまり当時の京都帝国大学建築学科の教授陣と学風、特に主任教授・武田五一による建築意匠論との関わりや、その武田を囲む第1期生の元良勲や大倉三郎などの研究活動と関わりなどに注目したところから、森田の建築論とともに「京都学派の建築論」の成立する背景や経緯が読み解けてきたのである。以上の研究成果の一部は、日本建築学会近畿支部の研究発表にて報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3カ年計画における初年度の平成23年度では、以下の2点が申請時での研究目的に沿って達成した研究成果であり、およそ着実に進展していると考えている。(1)森田慶一のウィトルウィウス研究(博士論文:昭和7年)にみられるギリシア志向の特質を明らかにする作業を着実に進めつつ、その過程からヴァレリー「エウパリノス」へと展開する重要な契機を見出すことが出来たと考えている。(2)森田慶一の建築論構築にとって重大な意義があったと思われる研究環境、つまり当時の京都帝国大学建築学科における主任教授・武田五一の建築意匠論との関わりや、その武田を囲む第1期生の元良勲や大倉三郎などの研究活動と関わりなどに注目したところから、森田の建築論とともに「京都学派の建築論」の成立する背景や経緯が読み解けてきたのである。以上の研究成果の一部は、日本建築学会近畿支部の研究発表にて報告した。

今後の研究の推進方策

3カ年計画の2年目の平成24年度では、前年度の研究成果と継続内容を踏まえた上で、森田慶一の後継者として知られる増田友也を取り上げ、その幅広い独自な哲学的建築思索を、以下の3点に絞って考察を進める。(1)増田の最初に着目した原始住居の空間構造(博士論文:昭和30年)を詳細に検証し、増田独自の建築論の原初を明らかにしたい。(2)日本建築、特に伝統住宅の空間論的研究に着目し、その研究視点や手法とともに独自なキーワード「(半)隔離」「象徴性」を読み解きたい。(3)風景論から存在論的建築論への展開過程を明らかにし、増田の「建築以前」の有する建築論的課題を明らかにしたい。

次年度の研究費の使用計画

申請時の研究費計画に基づき、増田友也の幅広き研究朗域を考察するにあたり、哲学・宗教学・美学・建築学などの関連する和洋書籍を予算内で購入する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 武田五一と京都学派の建築論2011

    • 著者名/発表者名
      市川秀和
    • 雑誌名

      日本建築学会近畿支部研究報告集

      巻: 第51号 ページ: 785~788

  • [学会発表] 森田慶一『建築論』読解への初歩的2011

    • 著者名/発表者名
      市川秀和
    • 学会等名
      モダニズム研究会(招待講演)
    • 発表場所
      京都大学桂キャンパス
    • 年月日
      2011年12月10日

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公開日: 2013-07-10  

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