12世紀~13世紀初期の教会堂の複合柱プロファイルの実測調査(調査教会堂の数は総計111棟)により以下の事柄を明らかにした。①イール・ド・フランスの複合柱を構成する入隅シャフトは、入隅に没入せず、入隅を形成する直交2面に接する。②アングロ・ノルマンとノルマンディーの複合柱は、入隅シャフトが入隅の片側の面にほぼ2分の1没入する点で共通である。③ロンバルディアの複合柱では、入隅シャフトが入隅の直交2面に同量ずつシャフト半径の3分の1程度没入する。 以上のことから、イール・ド・フランスの複合柱の入隅シャフトは、他の3地域の複合柱の入隅シャフトよりも、支柱の核部分からの独立性が高いと結論できる。
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