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2013 年度 実績報告書

明治期日本建築界の満洲調査における歴史的及び現代的意味

研究課題

研究課題/領域番号 23560781
研究機関近畿大学

研究代表者

奥冨 利幸  近畿大学, 建築学部, 教授 (70342467)

キーワード近代 / 満洲 / 伊東忠太 / 大江新太郎 / 瀋陽 / 北京
研究概要

本研究では、明治期の建築界が行った満洲調査を研究対象とし、調査資料と調査対象の歴史的建造物を照合後の調査の歴史的、学術的意味、(1) 明治期の日本建築界における中国調査の中での満洲調査の位置付け、(2) 満洲調査を明治期の日本建築界の動きや他の中国調査と比較、分析した上での相互の影響関係、(3)満洲調査の対象となった歴史的建造物の現地での再調査による史料価値の意義、(4)伊東忠太と大江新太郎の設計活動と関連させた満洲調査の影響の諸点を明らかにした。
本研究では、まず明治期の日本人研究者が調査した歴史的建造物を再調査し、明治期の調査時と現状が比較できるリストを作成し、それを後の世代の村田治郎や伊藤清造などの日本人による調査と戦後に中国人が行った調査の各結果を収集して、総合的な調査結果により、満洲の歴史的建築物の全体像を描き出した。さらに、伊東忠太や大江新太郎など、設計を手がけた研究者の作品を整理して、その設計手法と満洲調査の関連を分析した。
日本人の満洲調査が最も早い基礎的データであり、のちの中国建築史を構築する際の基礎になったことを明らかにし、同時に、満洲調査と伊東忠太の世界建築体系における認識の形成との関連性及び大江新太郎の進化主義様式の設計作品との関連性を明らかにした。 また、本研究では、満洲調査の記録を基づき、新たな建築史、都市史研究を展開させた。更に、満洲調査史料を元に、調査対象の歴史的建造物の現状を調査し、現存していれば損壊状況を確認し、保存のための基礎的情報を整理したことで、戦前の調査成果を現代の歴史的建造物の保存に活用する仕組みを構築した。
そして、中国、日本及び欧米の建築史研究者による国際シンポジウムを主催し、日本人の満洲建築調査の歴史的、現代的な意味を国際的な円卓で再検討した。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 遊牧文明の視点から元の大都の都市計画を捉えなおす:カラコラムから元の大都へ2013

    • 著者名/発表者名
      包 慕萍
    • 雑誌名

      中国建築史学会2013年大会論文集

      巻: 1 ページ: 655-667

    • 査読あり
  • [雑誌論文] モンゴル帝国以降のカラコルムにおける木造仏教寺院建築に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      包 慕萍
    • 雑誌名

      中国建築史論彙刊

      巻: 8 ページ: 172-198

    • 査読あり
  • [学会発表] 明治期日本人の中国建築フルードワークとその研究方法2013

    • 著者名/発表者名
      奥冨 利幸
    • 学会等名
      中国古代建築史国際フォーラム
    • 発表場所
      近畿大学(大阪府東大阪市)
    • 年月日
      20131207-20131207
  • [学会発表] 元の大都の土地計画と“胡同制”2013

    • 著者名/発表者名
      包 慕萍
    • 学会等名
      中国古代建築史国際フォーラム
    • 発表場所
      近畿大学(大阪府東大阪市)
    • 年月日
      20131207-20131207
  • [学会発表] 伊東忠太と大江新太郎の建築進化論の再考 : 満洲建築調査から2013

    • 著者名/発表者名
      奥冨 利幸
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      20130901-20130901
  • [学会発表] 考古新発見によるカラコルムの都市空間構造の再考2013

    • 著者名/発表者名
      包 慕萍
    • 学会等名
      中央大学人文科学研究所公開講演会
    • 発表場所
      中央大学(東京都文京区)
    • 年月日
      20130830-20130830
    • 招待講演
  • [学会発表] 遊牧文明の視点から元の大都の都市計画を読み直す2013

    • 著者名/発表者名
      包 慕萍
    • 学会等名
      寧波保国寺大殿建成1000周年学術研究会兼中国建築史学分会
    • 発表場所
      寧波六楼金色大庁(中国寧波市)
    • 年月日
      20130823-20130823
  • [学会発表] 清朝の統治版図から中国都市・建築の近代化過程を見る2013

    • 著者名/発表者名
      包 慕萍
    • 学会等名
      中国近代建築与都市史研究方法研討会
    • 発表場所
      同済大学(中国上海市)
    • 年月日
      20130616-20130616
  • [図書] 歴史遺産 近代建築のアジアI2013

    • 著者名/発表者名
      藤森 照信, 包 慕萍
    • 総ページ数
      270(234-265)
    • 出版者
      柏書房
  • [図書] 歴史遺産 近代建築のアジアII2013

    • 著者名/発表者名
      藤森 照信, 包 慕萍
    • 総ページ数
      262(016-257)
    • 出版者
      柏書房
  • [図書] 中国文化史大事典2013

    • 著者名/発表者名
      編集代表:尾崎雄二郎、竺沙雅章、戸川芳郎, 包 慕萍他著
    • 総ページ数
      1493(70項目)
    • 出版者
      大修館書店
  • [図書] アジアからみる日本都市史2013

    • 著者名/発表者名
      玉井 哲雄, 包 慕萍他著
    • 総ページ数
      336(234-265)
    • 出版者
      山川出版社

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公開日: 2015-05-28  

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