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2011 年度 実施状況報告書

蛍石型酸化物における酸素イオンフレンケル対の特異な挙動

研究課題

研究課題/領域番号 23560789
研究機関九州大学

研究代表者

椎山 謙一  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30243900)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード分子動力学 / 格子欠陥 / イオン結晶 / セラミックス / 原子力エネルギー
研究概要

【目的】CeO2中の格子欠陥の生成や挙動を明らかにするために、分子動力学法を用いて以下の観点:(1)多数の酸素イオンフレンケル対存在下におけるフレンケル対挙動、(2)酸素イオン・セリウムイオンフレンケル対共存下におけるフレンケル対挙動、を中心に調べ CeO2中の酸素イオンおよび酸素空孔の原子レベルでの挙動の理解を目指す。【方法】CeO2中のフレンケル対に対する分子動力学計算では、ポテンシャルはバッキンガムポテンシャルにクーロンポテンシャルを加えたものを用い、統計集団は原子数・圧力・温度が一定のNPTアンサンブルを採用した。なお、温度は300-1200 K, 圧力は0.1 MPaとした。計算セルの大きさは、CeO2結晶の単位胞を1単位とした5×5×5の大きさを基本とした。【結果】1.【多数の酸素イオンフレンケル対存在下におけるフレンケル対挙動】計算セルに導入する酸素イオンフレンケル対を4対とし分子動力学計算を行った。その結果、格子間酸素イオンが(111)面上の酸素イオン層間に集合した。2.【酸素イオン・セリウムイオンフレンケル対共存下におけるフレンケル対挙動】 酸素イオンおよびセリウムイオンフレンケル対共存下における計算を行う前に、セリウムイオン単独存在下におけるセリウムイオンフレンケル対挙動に対する分子動力学計算を行った。フレンケル対間の距離は、第1隣接から第4隣接までとした。計算の結果、第1および第3隣接ではセリウムイオン空孔あるいはセリウム格子間イオンは、<100>方向に移動してお互いに再結合した。これに対し、第2および第4隣接では、計算時間の10psまで再結合しなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画における、タスク1.【多数の酸素イオンフレンケル対存在下におけるフレンケル対挙動】の分子動力学の計算において、計算セルに導入する酸素イオンフレンケル対の数を4対以上にするためには、計算セルの大きさをこれまでの5×5×5から7×7×7、最終的には10×10×10にする必要がある。7×7×7の大きさのセルで計算を実際に行ったところ、計算時間が予想をはるかに上回った。そのため、計画の遂行が遅れることになった。

今後の研究の推進方策

今年度の研究の遂行が少し遅れ気味であるため、次年度では遅れた部分を取り戻し、計画されたタスクを予定通り遂行するようにする。すなわち、タスク1.多数の酸素イオンフレンケル対存在下におけるフレンケル対挙動、および、タスク2.酸素イオンおよびセリウムイオンフレンケル対共存下におけるフレンケル対挙動、を遂行する。 タスク1では、計算セルに導入する酸素イオンフレンケル対の数を最終的に32対とし、分子動力学計算を行う。タスク2では、酸素イオンおよびセリウムイオンフレンケル対をそれぞれ1対、合計2対を計算セル中に同時に導入し、フレンケル対間の距離を第1隣接(距離:0.234 nm)から第7隣接(距離:0.966 nm)まで変化させてフレンケル対導入後の分子動力学計算を行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究を遂行するために、設備備品費、消耗品、国内旅費・外国旅費、謝金等、その他の研究経費を計上した。それらの使用計画を以下に示す。【設備備品費】データ蓄積用大容量ストレージは、分子動力学計算による大量の計算データを記録保存するために使用する。【消耗品】DVD-Rは、計算データを長期保存するための媒体として使用する。【国内旅費・外国旅費】調査研究および成果発表のために、国内外において数回の学会等の発表を行うための旅費とする。【謝金等】研究補助として、計算データの整理等をお願いした際の謝金として使用する。【その他】研究の一部遂行のために大型計算機を使用しなければならない。この使用料として計算機使用料および、研究成果を発表するための学術論文への投稿料として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 酸化セリウムにおける酸素およびセリウムイオンフレンケル対の挙動2012

    • 著者名/発表者名
      椎山謙一、安田和弘、松村晶、Alain Chartier, Constantin Meis
    • 学会等名
      日本金属学会 2012年春期大会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2012年3月28日

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公開日: 2013-07-10  

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