現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H23年度の目標は、独自のパルスプラズマを用いたCVDの開発を行い、1. プラズマ強度およびガス混合比による乖離、反応物質の挙動と薄膜形成との因果関係 2. 膜中の成分比による硬度の影響 3. 完全なアモルファス化 4. 平坦でピンホールフリーの被覆率100%の隔膜の開発であった。これらはほぼ達成され、さらに膜の均一性および成膜速度の向上を図るため、磁場を加えたp-CVDの開発を行い、隔膜の耐圧性が約1桁高く、成膜速度が1.5倍向上した。(Ref. Kayo YAMASAKI, Hidenori TSUTSUI, Takaomi MATSUTANI, and Tadahiro KAWASAKI "Development of Magnetic Field and Pulse Plasma Enhanced CVD for High-efficiency E-TEM Diaphragm Deposition" The 19th Annual Meeting of IAPS International Workshop 2012 in Taipei (March, 10, 2012, Taipei TAIWAN).) さらに、化学的安定で高強度のa-SiCN膜に着目し、隔膜への応用を試みた。その結果、従来のa-C隔膜では電子線により数秒で破損するのに対し、開発したa-SiCN隔膜では、15分以上の耐久性を持つことが明らかとなった。さらに、環境セル型透過電子顕微鏡による反応ガス雰囲気中の金ナノ触媒の観察に成功した。(Ref. 松谷 貴臣,山崎 佳代,筒井 秀徳,美浦 拓也,川崎 忠寛 「パルスプラズマ援用化学気相成長法による環境セル型透過電子顕微鏡用a-SiCN隔膜の開発」プラズマ応用科学 Vol.19 No.2 (2011) 159-164.)
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