次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に当初予定していた樹脂小球体は簡便な方法で作製できる条件を見出すことができ、年度当初の予算をすべて使用するまでもなく実験が順調に進み、結果として593,211円の繰越金を残した。平成24年度では樹脂小球体の加熱処理によって、樹脂小球体の粒径を揃えるという問題は残されているが、炭素小球体を作製することがまずは優先すべき課題で、その際に表面のトンネル型の孔や内部の細孔が維持されていなければならない。そのためには、昇温速度や加熱処理温度を制御して炭素化処理を行う必要がある。ここで作製する炭素小球体は電極として使用することから、専用の樹脂小球体作製用ガラス製反応容器や加熱処理用の管状炉用炉心管ならびに熱電対、高純度アルゴンや窒素ガスなどの消耗品が不可欠である。特に本研究では炉心管に石英ガラス製を使用することで加熱処理時に炉心管からの酸素の侵入を防止する必要がある。また、樹脂小球体作製に必要な有機溶剤や樹脂原料試薬、熱分析専用白金パンなども購入しなければならない。そこで、平成23年度の繰越金と今年度予算の合計1,293,211円から800千円相当の消耗品購入予算が必要である。また、炭素小球体の細孔分布やトンネル型の孔の内部組織との連続性を調べるためには現有設備の走査型電子顕微鏡(SEM)では不可能であることから、外部機関に出向いてFIB-SEMや透過型電子顕微鏡などで観察する必要があり、さらにそれらの成果を学会等で発表または学術雑誌等に投稿するために493,211円相当の費用、計1,293,211円の費用が不可欠である。
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