前駆体溶液によるその場形成法を用い,ミクロポーラスアモルファスシリカと金属酸化物微粒子の複合体の合成手法を検討した。出発前駆体,溶媒,pH,反応温度を精密に制御して調製し、得られた前駆体の熱分解挙動をTG-DTAで解析した。この結果に基いて焼成して得られた複合化ナノ空間セラミックス試料について、結晶構造解析、微細構造解析、およびガス吸着特性評価を行った。多段階の圧力制御による定容法ガス吸着測定装置を用いて,各温度での二酸化炭素の可逆吸着量の圧力依存性を調べた結果、導入金属種により、二酸化炭素吸着能に差があることが判明した。 また、複合化ナノ空間セラミックス試料として合成に成功したニッケル粒子分散シリカを用いてCVD法で作製したカーボンマイクロコイルの微構造解析を進めた。CMCの成長先端部分を樹脂に包埋し、集束イオンビーム(FIB)法を用いて、触媒粒子の断面形状を特定化するために、三次元解析を行い、また、FIB法で切り出した触媒粒子の断面試料について、透過電子顕微鏡観察(TEM)を行った。コイル先端部分にNi元素が分析され、これが触媒粒子であり、Tip-growth型の成長先端が観測された。この触媒粒子は、fcc-Ni から、R-3C構造をもつNi3Cへ構造変化していること、また、ファセット構造を有していることが明らかとなった。 複合化ナノ空間セラミックスを合成し、評価解析することで、新規なガス吸着特性や、CMC合成触媒としての展開の可能性が明らかになった。
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