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2012 年度 実施状況報告書

指向性圧電素子を用いたCFRP積層板の損傷モニタリングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23560821
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

遠山 暢之  独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (60344165)

キーワード超音波探傷 / 非破壊検査 / 構造ヘルスモニタリング / 複合材料 / 衝撃損傷 / ラム波 / 圧電素子
研究概要

本研究では、CFRP積層板に内在する約1インチ径の衝撃損傷を、一箇所のみに配置した超音波アレイセンサを用いて検出・位置同定することが可能な全方位損傷モニタリングシステムを開発することを目的としている。本年度は、前年度に最適設計した複数の圧電素子からなる放射状アレイセンサの設計、発信素子の最適形状設計およびこれらの発信・受信アレイを利用した衝撃損傷検出・位置同定手法の開発を行った。
まず前年度に設計した高アスペクト比形状のラム波ゼロ次非対称モードに対して顕著な指向性を有する圧電素子を8つ用いて、45°間隔で放射状に配列させたセンサ網を構築し、中央部に全方位に等方的にラム波を放射できる円形の発信素子を配置したアクティブセンシング用の発信・受信アレイを設計・作製した。さらに励起されたラム波の伝播挙動をレーザ超音波映像化技術を用いて可視化することでアクティブセンシングとしての機能を有することを確認することができた。
円形の発信素子から全方位に放射され、CFRP積層板中を伝播したラム波が、衝撃損傷部で反射され、その反射エコーを各圧電素子で検出することができた。各圧電素子は指向性を有しているため、各反射エコーの振幅を比較することによって定量的に衝撃損傷の方位を導出することに成功した。さらに反射エコーの到達時間を基にして、センサ-損傷間距離についても併せて定量的に導出することができた。最終的に得られた方位と距離の情報から衝撃損傷の2次元位置を同定することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

科学研究費補助金および産業技術研究助成事業等の助成を通じて、一貫してCFRP積層板の損傷モニタリング技術に関する研究を遂行してきてきたため、本研究の基盤となるラム波伝播特性、CFRP積層板の損傷形態、圧電素子特性等に関する知識とそれらの評価技術を有しており、さらに超音伝播映像化技術を併せ持つことから、交付申請段階において妥当な研究計画を立てることができ、また想定通りに研究が進捗したため。

今後の研究の推進方策

平成23年度および平成24年度で得られた成果を統合し、計測・診断ソフトウェアを開発すると同時に、損傷モニタリングシステムを完成させ、1000×1000mm程度のCFRP積層板中に内在する衝撃損傷に対するデモンストレーション実証試験を行い、検出可能な衝撃損傷サイズの把握および位置同定精度の検証等を行う。

次年度の研究費の使用計画

本研究の予備実験を行うために、予め保有していた圧電素子を引き続き研究計画課題にそのまま適用することができたため、当初予定していた圧電素子購入費分が次年度使用額として発生した。最終年度は衝撃損傷のサイズに応じて最適設計した放射状アレイセンサ網および発信素子として使用する圧電素子の購入およびソフトウェア作製に研究費を重点的に使用する計画である。また得られた研究成果について学会発表および論文発表するために英文校正費、旅費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] CFRP構造物への非破壊検査の適用

    • 著者名/発表者名
      遠山 暢之、卜部 啓、宮内 秀和、山本 哲也、李 志遠、津田 浩
    • 学会等名
      平成24年度産総研本格研究ワークショップin中部
    • 発表場所
      名古屋市
  • [学会発表] 遠山 暢之、津田 浩、李 志遠、高坪 純治、森谷 信一

    • 著者名/発表者名
      ロケット燃焼器へのレーザ超音波可視化探傷技術の適用
    • 学会等名
      安全・安心な社会を築く先進材料・非破壊計測技術シンポジウム
    • 発表場所
      仙台市

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公開日: 2014-07-24  

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