研究課題/領域番号 |
23560832
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
竹内 健司 信州大学, カーボン科学研究所, 准教授 (20504658)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / カーボンナノチューブ / 成長制御 / 構造解析 / 環境TEM |
研究概要 |
本研究は極めて特異なナノ構造や物性を有しているカーボンナノチューブ(CNT)を用いて、新規なCNT生成法やCNT成長のその場TEM観察を併用して精緻な反応場ナノ構造制御を行うことで、連続した超長尺CNTの創成とその機構解明を行うことを目的としている。初年度のH23年度は、主に反応場内を原料供給ゾーン(メタン、水素)とCNT成長ゾーン(Ar)に分け、その境界壁(ポーラス状)に触媒を配置した新規なCNT生成システムの構築を行い、超長尺CNTの生成実験の基礎評価(条件出し)および生成物の解析を行った。また、CNT成長のその場観察とその長尺化機構を解明するために環境制御型電子顕微鏡(E-TEM)を用いて基礎評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の計画((1)超長尺CNT向け新CCVD装置の製作と条件出し、(2)触媒担持方法の検討、(3)環境制御TEMを用いたCNT成長のその場観察)に対して、超長尺CNT向け新CCVD装置の製作と条件出しを行い、また触媒担持方法の検討(鉄薄板、多孔質シート+鉄薄膜等)や環境制御TEMを用いたCNT成長のその場観察の基礎実験を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の計画は、CNTの長尺化における詳細な成長機構を明らかとし、連続したCNT単体の超長尺化(10cm以上)を達成するために、主に原料種探索(第1,第2炭素源および鉄系触媒)、原料供給方法、回収方法の検討、環境制御TEMを用いたCNT成長のその場観察(触媒長寿命化、長尺化機構解明)、超長尺CNTの機械特性の評価法検討(樹脂埋込法、ポリマーラッピング法)等について推進する。すなわち、超長尺化CNTを得るには、以下の項目の達成が必要不可欠であり(鉄触媒の小径化(触媒活性高)、炭素/触媒バランス、高結晶化(高温生成)、低不純物化(触媒量多、高温生成)、反応管内の流動反応と速度分布、小直径化(触媒の長寿命化)、第2炭素源・新助触媒の探索、他)、新原料・触媒の探索(第1・第2炭素源、触媒、助触媒)、原料供給方法(スプレー噴霧、超音波噴霧、熱気化)、回収方法(巻取り式)等の検討を順次行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画時よりも、備品を安価で購入できたため、次年度使用額が生じた。その繰り越し額と次年度の研究費を合わせ、特にこれまでの研究状況を踏まえて実験回数を増えることが予想されるので、主にCNT生成実験に用いる消耗品(実験器具、薬品、ガス、環境TEM用消耗品)の購入に使用する。
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