本研究では、ナノサイズのカゴ状構造を有するBa-Ga-Snクラスレート半導体において、ホスト格子を形成するIII族元素とIV族元素の配置がランダムであるにも関わらず熱電材料として高い可能性を有することに注目し、更にランダム性が増すような元素置換をすることで、熱電性能の向上を行う可能性について検討した。具体的にはゲスト原子のダブル置換およびホスト原子のダブル置換をそれぞれ行い、理論的に電子構造計算および計算されたバンド構造を用いた熱電性能解析を行った。また、実験的には、理論的に熱電性能の向上が期待される物質に対して、材料合成および熱電特性測定を行った。
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