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2013 年度 実績報告書

元素偏析を利用したβ型チタン合金のハイブリッド組織形成と高延性化

研究課題

研究課題/領域番号 23560851
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

江村 聡  独立行政法人物質・材料研究機構, 元素戦略材料センター, 主任研究員 (00354184)

キーワードベータ型チタン合金 / 偏析 / ヘテロ構造 / 強度延性バランス / オメガ相
研究概要

本研究はベータ型Ti-Mo系合金において、Moの元素偏析に起因した渦状組織(Van Gogh’s Sky(VGS)組織)を現出させ、析出相の分布状態や変形モードが局所的に変化したハイブリッド材料の作り込みを行うとともに、 VGS組織と機械的性質の関連性を見いだすための定量化手法の確立およびVGS組織の形成過程や機械的性質の発現機構の解明を目指すものである。最終年度である本年度に得られた成果は以下の通りである。
VGS組織の形態や機械的性質に及ぼす初期インゴットサイズの影響を把握する目的で、Ti-14Mo合金についてこれまでの小型インゴット(直径70mm)に加え大型インゴット(直径150mm)を素材とし、棒材までの圧下率を大きく取った材料を作製(作製は昨年度)し、その組織や室温引張特性への影響を検討した。大型インゴット材では定性的にはVGS組織がより細かくなっている傾向が見られた。時効処理を行い硬質第2相(オメガ相)を析出させた材料ではVGS組織を有する材料が有さない材料に比較して大きな破断伸びを示すが、大型インゴット材の破断伸びは小型インゴット材より小さくなった。引張試験後の試験片の破面観察では小型インゴット材がほぼ延性的な破面を示すのに対し、大型インゴット材では粒界割れ等の脆性的な破面が増えており、変形途中での脆性的な割れが破断伸びを減少させていると考えられる。
本研究期間全体においては、VGS組織の導入により変形箇所の分散化や脆性破壊の抑制が生じることで室温延性が向上すること、特に絞り値は広範囲の熱処理条件下で大きく向上すること、インゴットサイズを変化させてもVGS組織の効果が得られること、などの知見が得られた。一方、VGS組織形態の違いを定量的に把握するため3次元組織の観察および定量化を試みたが現在のところ十分なデータが得られておらず今後の課題としたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 渦状偏析組織を有するTi-Mo合金の引張特性に及ぼすインゴットサイズの影響2014

    • 著者名/発表者名
      江村 聡, 井 誠一郎, 土谷 浩一
    • 学会等名
      日本金属学会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      20140321-20140323

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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