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2013 年度 実績報告書

高延性を有する高強度電縫鋼管のロール成形法

研究課題

研究課題/領域番号 23560864
研究機関京都大学

研究代表者

宅田 裕彦  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20135528)

研究分担者 浜 孝之  京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (10386633)
キーワードロール成形 / 高張力鋼板 / 電縫鋼管 / 高延性 / 環境材料
研究概要

今年度は,提案している新型ロールによるロール成形性と複数スタンド成形における次スタンドによる変形拘束の影響について,実験および解析の両面から検討を行った.得られた成果を以下に示す.
①新型ロールによる変形メカニズムは以下のようである.新型ロールでは,板材を端部のみで支持して成形するため板材中央部では自由曲げに近い状態になり,その結果ロール曲率よりも大きな曲げが生じる.しかしながらその一方で成形後のスプリングバック量も大きいため,結果的にはほぼロール曲率に非常に近い成形品形状が得られる.板材中央部における成形中の曲率は上ロール径が小さいほど大きくなる傾向にあり,そのため最終成形品の曲率も上ロール径が小さいほど大きい.
②新型ロールでは,従来ロールに比べて通板方向の曲げ変形を抑制できるため,成形時の相当塑性ひずみの発生を低減できる.すなわち,本研究開始当初の仮説が実証された.しかしながらその一方で,新型ロールでは板材の端部のみを支持して成形するという特性上,従来ロールに比べて管周方向での不均一さが増すことが明らかとなった.この結果より,周方向の均質性が重視されるバルジ加工用鋼管などの成形には従来ロールの方が好ましく,用途に応じた使い分けが必要なことが示唆された.
③複数スタンドを用いた成形解析を行い,次スタンドによる変形拘束の影響を調査した.その結果,新型ロールではその影響は非常に小さいことが分かった.これは新型ロールでは通板方向の曲げが小さいためである.また同様の理由により,複数スタンド成形では従来ロールに比べて成形中の相当塑性ひずみの発生を大幅に抑制できることが分かった.
以上のように本研究課題を通じて,提案した新型ロールの有効性とその特性を実験的および解析的に明らかにし,高張力鋼管のロール成形技術の向上に大きく貢献することができた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 高強度鋼板の曲げ成形におけるロール形式の影響 -電縫鋼管のロール成形シミュレーション 第2報-2013

    • 著者名/発表者名
      井口敬之助,栗山幸久,師井直紀,浜孝之,宅田裕彦
    • 雑誌名

      塑性と加工

      巻: 54 ページ: 436-440

    • 査読あり
  • [学会発表] ロール成形プロセスにおける次スタンド拘束の影響―電縫鋼管のロール成形シミュレーション(第10報)2013

    • 著者名/発表者名
      井口敬之助,松井洋介,浜孝之,宅田裕彦,栗山幸久
    • 学会等名
      平成25年度塑性加工春季講演会
    • 発表場所
      大同大学
    • 年月日
      20130607-20130609

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公開日: 2015-05-28  

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