研究課題/領域番号 |
23560865
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
津村 卓也 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (00283812)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 材料加工・処理 / 溶接・接合 / 異種金属材料 / 輸送機器 |
研究概要 |
輸送機器の軽量化部材として注目されている難燃性マグネシウム合金と,めっき皮膜作成法が異なる3種類の亜鉛めっき鋼板(SGCC,GA,SECC)及び自動車用鋼板SPCCとの摩擦攪拌点接合(FSSW)を行い,めっき皮膜の状態が接合状態及び機械的性質に及ぼす影響を調査した.また,接合中の接合パラメータ,ツール先端部温度,接合部近傍温度の動的変化を計測・解析するシステムを構築した. FSSW装置のツール回転数,旋回軸モータ電流値,押込み荷重,押込み量の4つの電圧出力を接合パラメータ,ツール回転軸に固定したテレメータを通じて得たツール中心に挿入したR熱電対の起電力をツール先端部温度,試料の接合界面近傍に挿入したK熱電対の起電力を接合部近傍温度として,高速電圧/温度ロガーに接続して10kHzで測定可能なシステムを構築した.また,パーソナルコンピュータを用い,この計測データを統合化し解析を行うソフトウェアを自作した. 市販マグネシウム合金AM60に難燃性を付与するカルシウムを添加した難燃性マグネシウム合金と,溶融亜鉛めっきSGCC,合金化溶融亜鉛めっきGA,電気亜鉛めっきSECCの3種類の亜鉛めっき鋼板及び自動車用鋼板SPCCとの重ねFSSWを,ツール回転数と押込み荷重をパラメータとして実施し,重ね継手形成範囲を調査した.得られた重ね継手の接合部断面観察により接合部形成組織調査を行い,また同一条件で再度接合した重ね継手の引張せん断試験により強度評価を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度計画のうち,計測データの解析結果と接合部形成組織調査及び強度評価結果をまとめ,最高強度が得られる接合条件と接合部形成組織の状態の特定,接合因子の抽出,最適な亜鉛めっき皮膜作成法の選定を行う予定に到達していないため.
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今後の研究の推進方策 |
パーソナルコンピュータを用い,計測データを統合化し自作ソフトウェアにて解析を行う.この結果と接合部形成組織調査及び強度評価結果をまとめ,最高強度が得られる接合条件と接合部形成組織の状態を特定し,接合界面をこの状態にするための接合因子の抽出と,溶融亜鉛めっきSGCC,合金化溶融亜鉛めっきGA,電気亜鉛めっきSECCの中から最適な亜鉛めっき皮膜作成法を選定する. 抽出した接合因子によるFSSW施工の最適化を行うとともに,見いだしためっき皮膜作成法による最適めっき皮膜厚さの検討を行い,難燃性マグネシウム合金と亜鉛めっき鋼板との異材FSSWについて,接合界面が良く制御された最適化継手の形成条件を明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度ツール及び試験片金額が当初見積より増減し,端数が残額となった.これらは次年度研究費と合わせてツール及び試験片購入に使用する.
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