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2013 年度 実施状況報告書

難燃性マグネシウム合金と亜鉛めっき鋼板の摩擦攪拌点接合における界面制御と最適化

研究課題

研究課題/領域番号 23560865
研究機関沖縄工業高等専門学校

研究代表者

津村 卓也  沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (00283812)

キーワード引張せん断強度 / 摩擦攪拌点接合 / 異種材料 / 難燃性マグネシウム合金
研究概要

輸送機器の軽量化部材として注目されている難燃性マグネシウム(Mg)合金と,自動車用鋼板SPCC,およびめっき皮膜作成法が異なる3種類の亜鉛めっき鋼板(溶融亜鉛めっきSGCC,合金化溶融亜鉛めっきGA,電気亜鉛めっきSECC)との摩擦攪拌点接合(FSSW)を行なった.
研究代表者の所属研究機関変更により,主要実験装置が変更となった.このため,新たな実験装置で,ツール回転数,押込み深さ,押込み速度を接合パラメータとして接合試験を再度実施し,得られた重ね継手の引張せん断強度の評価結果から,以前と同等な重ね継手形成条件の選定を行なった.また,引張せん断試験後の破面観察により,接合部破断面の組織調査を行った.
その結果,同一接合条件での引張せん断強度は,難燃性Mg合金とSGCCの組合せが最も高い値を示すこと,破断は,接合部周辺の界面からMg合金中に含まれるアルミニウムと鉄の金属間化合物層に沿って中心部に向かって進み,中央のキーホールに向かい難燃性Mg合金内を進むことが分かった.また,切削動力計を用いて接合試験中のツール押込み荷重を計測した結果,難燃性Mg合金とSGCCの組合せとそれ以外とで押込み力の安定性に差がある事が分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度計画のうち,接合因子の抽出,最適な亜鉛めっき皮膜作成法の選定を行う予定に到達していない.また,本年度計画のうち,抽出した接合因子よるFSSW施工の最適システム構築,ならびに最適な亜鉛めっき皮膜厚さの検討に到達しておらず,追加で実施を予定していた,接合部断面のSEM観察と接合界面のTEM観察,ならびにこれら観察結果の評価,関連学協会での成果発表に到達していないため.

今後の研究の推進方策

下記を実施するため,補助事業期間の延長を申請した.
接合部断面のSEM観察と接合界面のTEM観察結果を評価し,詳細な接合部形成組織調査を実施する.
切削動力計による計測結果と,ツール先端部温度,接合部近傍温度の動的変化を計測し,パーソナルコンピュータを用いてこれら計測データを統合化する自作ソフトウェアにより解析を行う.この結果と接合部形成組織調査,および強度評価結果をまとめ,最高強度が得られる接合条件と接合部形成組織の状態を特定し,接合界面をこの状態にするための接合因子の抽出と,最適な亜鉛めっき皮膜作成法を選定する.
また,重ね継手の強度評価として十字引張試験も実施し,引張せん断試験結果と合わせて重ね継手形成条件の再評価を行ない,抽出した接合因子によるFSSW施工の最適化を行うとともに,見いだしためっき皮膜作成法による最適めっき皮膜厚さの検討を行い,難燃性マグネシウム合金と亜鉛めっき鋼板との異材FSSWについて,接合界面が良く制御された最適化継手の形成条件を明らかにする.

次年度の研究費の使用計画

研究代表者の所属研究機関変更により主要実験装置が変更となったため,新たな実験装置での以前と同等な施工条件の選定に平成25年夏まで費やした.また,最終年度中に結果を取りまとめ,事業終了後の関連学協会にて成果発表を予定していたが,引張せん断強度評価の結果,接合部断面のSEM観察と接合界面のTEM観察により,詳細な接合部形成組織調査が追加で必要となった.これら理由から計画を変更し,発表経費とSEM観察およびTEM観察2件を行なうこととしたために未使用額が生じた.
SEM観察,TEM観察と,関連学協会での成果発表を次年度に行なうこととし,未使用額はその経費に充てる.なお,SEM観察およびTEM観察は,昨年度末に発注(依頼)済みである.

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公開日: 2015-05-28  

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