研究課題/領域番号 |
23560867
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
幹 浩文 和歌山大学, システム工学部, 助教 (20403363)
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研究分担者 |
土谷 茂樹 和歌山大学, システム工学部, 教授 (30283956)
菊地 邦友 和歌山大学, システム工学部, 助教 (20588058)
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キーワード | 溶射 / コーティング / 粒子積層プロセス / MEMS / 微細加工 |
研究概要 |
本研究は、周辺に数ミリ程度の高段差を持つ微小領域に機能性材料のマイクロパターンを実現することを最終目標にし、その実現手法として、小型で長距離飛翔可能な新しいインクジェット機構の研究を遂行した。具体的には、瞬間的磁場勾配による磁気応力を用いたインクジェットの新しい吐出機構によって、より大きな吐出力と高い着弾精度を持つ機能性インク滴の長距離飛翔の可能性について検証を行った。全体の構造設計において、ノズルの幅とインク流路のチャンネル長さの間には、吐出力に対して最適比例関係が存在することが明らかになり、また、インク室のチャンネル末端からの傾斜角度はインクジェット吐出力に大きく影響し、ノズル先端部には非磁性材料を配置した構成がノズル開口部近傍で急峻な磁場勾配を得るために有効であった。角度は75~80°が適切で、非磁性材料の膜厚はノズル幅の0.5倍の時が最も有効であった。加熱機構においては、天上カバー裏面のマイクロヒータ配置のみ状態ではヘッド部流路チャンネル内インクの温度分布がヒータ近傍と流路チャンネル底面とで大きな温度差が生じ、インクが場所によってはキュリー温度を大きく上回るところとキュリー温度以下に留まってしまうという問題点が生じるが、ヘッド部流路チャンネルの上下面にマイクロヒーターを均一アレイ分布の構成が、流路チャンネル断面中心部のインク温度がキュリー温度以上を確保しながらもヒータ近傍のインク温度が過剰に上昇しなく、より充満したボリューム形状を持ったインク領域が瞬時キュリー温度以上になることがわかった。最適構造設計指針をもとに、加工プロセス技術の開発を行い性能向上に必要課題の抽出ができた。本研究を通じて得られた知見とノウハウは長距離飛翔インクジェットの実現において重要な意味を持つものであり、今後は、これまでの成果をもとに早期の実用化・産業化を目指して研究を勢力的に進めて行きたい。
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