研究概要 |
通常4種類以上用いている銅ダマシンめっきの添加剤を、ジアリルアミンの単一有機添加剤で充填することに関して電気化学測定とQCM測定によりその現象を明らかにした。研究成果を以下に箇条書きにする。 1.(a) HCl, (b) HBr, (c) HI, (d) AcOH, (e) HOC2H4SO3H, (f) CF3SO3H, (g) H2NSO3H, (h) CH3C6H4SO3HをN原子に配位したジアリルメチルアミンレベラーを用い検討した。マイクロビア埋め込み断面の形状観察より対イオンがハロゲン(a) HCl, (b) HBr, (c) HIである場合、ビア外部の銅めっき膜厚は薄く、ビア内部は銅めっきの完全充填を達した。一方、対イオンがハロゲンでない場合、いずれもビア中央部に凹形状のくぼみがあり完全充填は達成できなかった。 CV測定結果より対イオン(a) HCl, (b) HBr, (c) HIは添加量を大きくするにつれて銅の析出反応が抑制される電位はより卑な方向にシフトした。さらに逆方向走査において順方向走査よりも析出電流値が大きくなり、ヒステリシスが確認できた。一方、対イオンがハロゲンでない場合ではヒステリシスは確認できなかった。 LSV測定結果より(a) HCl, (b) HBr, (c) HIではいずれも回転速度が速くなるほど、析出反応が抑制され、流速が大きくなるほど、平板へのめっき析出を抑制すると考えられた。この傾向は(a) HCl, (c) HIでより大きかった。 2.ジアリルメチルアミンのアリル基とスルホニル基の間にアリルスルホン酸ソーダおよびビニルイミダゾールを組み込んだ追加型構造の影響を検討した。マイクロビア埋め込み断面の形状観察より (a) SAS 8:1:8, (c) Vin-HCl 2:1:2ではビア内部を完全に充填した後、バンプが形成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで大別して3分類のジアリルアミンを検討した。 1. (a) HCl, (b) HBr, (c) HI, (d) AcOH, (e) HOC2H4SO3H, (f) CF3SO3H, (g) H2NSO3H, (h) CH3C6H4SO3HをN原子に配位したジアリルメチルアミンレベラ- 2. ジアリルメチルアミンのアリル基とスルホニル基の間にアリルスルホン酸ソーダおよびビニルイミダゾールを組み込んだ追加型構造 3. 側鎖ジアミン型 現在までの達成度は80%程度である。
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