研究課題
過去二年間において種々の検討を行い合成に成功したBi3.25Nd0.75Ti3O12 (BNT-0.75)ナノプレートについてさらなる強誘電性(特に残留分極、2Pr)の向上を目指してNdサイトへのイオン半径の小さいEu3+置換効果を検討した。具体的には、高温スパッタ法により導電性Nb:TiO2(101) (Nb=0.79 mass%)基板上にヘテロエピタキシャル成長した厚み約2.2μmの(Bi3.25Nd0.75-xEux)Ti3O12 (BNEuT, x=0-0.75)ナノプレートの作製を試み、これに成功した。作製したBNEuTナノプレートの配向性・結晶性は高分解能薄膜X線装置を、表面及び断面微細構造、超格子構造形成の有無、基板結晶との長距離格子整合性は電界放射型走査電子顕微鏡と高分解能透過型電子顕微鏡を用いて行った。また、強誘電性(P-E特性)及び圧電性(d33-電界特性)は、それぞれ強誘電体テストシステム(RT66A)と圧電応答顕微鏡システム(PFM)を用いて測定した。もっとも優れた強誘電・圧電性を示す組成についてBNEuTナノプレート間隙にエポキシ樹脂を注入・熱硬化処理して超音波トランスデューサを作製した。以上述べた研究成果は下記のとおりである。(1) 得られたBNEuT膜はa/b軸方向に単一配向し、配向率は99.0-99.8%であった。(2) BNEuTのc軸長/Nb:TiO2のb軸長=7.15から優れた長距離格子整合性を有することを見出した。(3) BNEuT-0.10(x=0.10)ナノプレートは最大の2Pr=87 μC/cm2と斜方晶歪(0.0017)を有した。(4) PFM観察から、x=0.1で最大の圧電定数d33=15 pm/Vを示し、PFM位相像の観察結果よりBNEuTナノプレートはa軸方向に強配向していることを見出した。
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