研究概要 |
高濃度窒素を侵入させる浸炭窒化用のクロムモリブデン鋼を用いて,真空浸炭窒化焼入れによるマルテンサイト変態処理とDLC成膜処理を組み合わせた複合表面改質の研究を行った.まず,0.41~0.55%の窒素を侵入させた真空浸炭窒化後の焼入れによって,微細なCrN,γ'Fe4N,およびセメンタイトの析出を伴った窒素固溶した微細マルテンサイトと残留オーステナイトの混合組織が得られた.この組織を下地に,イオンビーム法ならびにプラズマCVD法によってDLC被膜処理や窒素イオン注入処理を行い,面圧疲れ試験を実施した.その結果,ヘルツ面圧が4.2GPaの高負荷条件で,優れた耐ピッチング性を有することが判明した.
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