研究課題/領域番号 |
23560889
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 教授 (70220259)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | SiC製DPF / PGM / スラグ / Al2O3-SiO2-CaO / Cu2O |
研究概要 |
DPF(ディーゼル排気微粒子除去フィルター:Diesel Particulate Filter)として、SiCに白金族金属(PGM)を担持したものを使うことが考えられている。本研究ではSiC製DPFからPGMを回収する目的で、Al2O3-CaO-SiO2系スラグに連続的にSiC製DPF粉末を投入し、スラグにすることが可能か、空気雰囲気下、1450℃に保持されたAl2O3-CaO-SiO2系スラグに連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFのスラグ化を試みた。また、Cu2O系スラグをフラックスとして用いることが可能か、空気雰囲気下、1300℃程度で保持されたCu2O系スラグに連続的にSiC製DPFを投入し、SiC製DPFのスラグ化を試みた。その結果、(1)1450℃でAl2O3-CaO-SiO2系スラグに連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFをスラグにすることは可能である。銅をスラグと共存させることは、スラグ化を促進し有効である。(2)1300℃でCu2O系スラグをフラックスとして、連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFをスラグにすることは容易である。SiC製DPFを投入して10分後には、均質なスラグとなっていた。(3)SiC製DPFをスラグ化するのに、Al2O3-CaO-SiO2系フラックスに比べてCu2O系スラグが適していることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標は、"SiC製DPFのスラグ化"である。この目標を達成する目的でいくつかの実験を試み、1450℃でAl2O3-CaO-SiO2系スラグに連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFをスラグにすることができた。また、1300℃でCu2O系スラグをフラックスとして、連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFをスラグにすることは容易であった。これらのことから、今年度の目標である"SiC製DPFのスラグ化"を、おおよそ達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
DPF(ディーゼル排気微粒子除去フィルター:Diesel Particulate Filter)として、SiCに白金族金属(PGM)を担持したものを使うことが考えられている。本研究ではSiC製DPFからPGMを回収する目的で、平成24年度は、(1)Al2O3-CaO-SiO2系スラグと熔銅間のPGMの分配比を1450℃で測定する。(2)Cu2O系スラグをフラックスとして用いることを想定し、1300℃でCu2O系スラグと熔銅間のPGMの分配比を測定する。ことなどを企図している。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の実験内容は次のとおりである。(1)Al2O3-CaO-SiO2系スラグと熔銅間のPGMの分配比を1450℃で測定する。(2)Cu2O系スラグをフラックスとして用いることを想定し、1300℃でCu2O系スラグと 熔銅間のPGMの分配比を測定する。これらの実験を遂行するにあたり、物品費として、ダイヤモンドカッター、るつぼ類のセラミックス、試料用の金属、分析用の試薬、実験、分析用のガス類を購入する。また、資料収集と成果は発表を目的として旅費申請する。実験の補助して学生を採用するため、若干の謝金を申請する。
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