研究課題/領域番号 |
23560889
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
山口 勉功 岩手大学, 工学部, 教授 (70220259)
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キーワード | DPF / Al2O3-CaO-SiO2系スラグ / Cu2O系スラグ |
研究概要 |
Al2O3-CaO-SiO2系スラグに連続的にSiC製DPF粉末を投入し、スラグにすることが可能か明らかにする目的で、空気雰囲気下、1450℃に保持されたAl2O3-CaO-SiO2系スラグに連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFのスラグ化を試みた。また、Cu2O系スラグをフラックスとして用いることを想定し、空気雰囲気下、1300℃程度で保持されたCu2O系スラグに連続的にSiC製DPFを投入し、スラグ化することが可能か検討した。その結果、次のことが分かった。 1450℃でAl2O3-CaO-SiO2系スラグに連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFをスラグにすることは可能である。銅をスラグと共存させることは、スラグ化を促進し有効である。 1300℃でCu2O系スラグをフラックスとして、連続的にSiC製DPF粉末を投入し、SiC製DPFをスラグにすることは容易である。SiC製DPFを投入して10分後には、均質なスラグとなっていた。 SiC製DPFをスラグ化するのに、Al2O3-CaO-SiO2系フラックスに比べてCu2O系スラグが適している。Cu2Oは容易に酸素を放出するため、スラグ自体が酸化剤となっている。また、Cu2O系スラグは密度が大きいためSiC製DPFが溶湯表面に留まり易く、上方から供給される酸素にSiC製DPFがさらされ易い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
SiC製DPFを連続的にスラグ化することに成功した。また、Cu2O系スラグを用いることは、エネルギーかつ処理速度の点でも有利であることを見出した。このことにより、SiC製DPFからPGMを回収する処理方法を確立することができたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
Cu2O系フラックスを用いてSiC製DPFを連続的にスラグ化することが有効であることが分かった。そこで、今後は本処理を行うことで生成されるCu2O-SiO2系スラグと熔銅間のPGMの分配比を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
前述の研究を推進する目的で、消耗品としてセラミックス類、試薬、アルゴンガスを購入する。また、成果の発表を目的として学会等への旅費を申請する。
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