低炭素化社会の実現のためには、次世代自動車用材料として軽量であるアルミニウム合金の使用は必須である。その中で新規の機能性をもつアルミニウム合金の需要は今後増加が予想される。この要望を達成するには、素材段階でナノレベルでの組織制御が必要である。 本研究では、申請者のもつアルミニウム合金の整合性ナノ組織制御技術として考案した手法と原理を完成させることにより、希土類金属元素に依存しない新しい機能性アルミニウム合金の開発研究を行うことを目的とした。その結果、一部のアルミニウム合金においては、準安定相に固溶あるいは周期的に配列する、または平衡相の形態を変える元素があるという従来報告のない現象が明らかとなり、合金の析出物の構造変化と析出挙動の変化、または強化につながることが明らかとなった。
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