研究課題/領域番号 |
23560898
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
恒川 好樹 豊田工業大学, 工学部, 特任教授 (50148350)
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キーワード | 金属生産工学 / ソノ凝固 / ヘテロ構造 / キャビテーション / 微細初晶シリコン / 非平衡α-Al |
研究概要 |
ソノ凝固プロセスの要素技術確立を図るとともに,ソノ凝固プロセスとして体系化し,ヘテロ構造二相Al合金の材料特性を明らかにした.Al-12.6wt%Si合金における初晶Si晶出量の実測に基づき,Al-25wt%Si合金の初晶Si晶出量をソノ凝固プロセスによって確保するAl-Si合金中のSi含有量を再検討した. (1)過共晶Al-17wt%Si合金の超音波溶湯処理: (a)超音波溶湯処理のソノ凝固効果が表れる限界条件を見極める.(b)超音波溶湯処理合金のミクロ組織の定量評価 (c)ソノ凝固プロセスによる試験片鋳造 (d)17wt%Si合金ソノ凝固試料の機械的性質評価 (2)Al-17wt%Si-4Cu合金の超音波溶湯処理:(a)ソノ凝固効果の限界条件把握とミクロ組織の定量評価 (b)Al-17wt%Si-4Cu合金のソノ凝固プロセス (c)ヘテロ構造を成す非平衡α-Al,初晶Siおよび共晶Siの寸法・形状・量と機械的性質の関係把握, 標準の油潤滑下摩擦摩耗試験 以上を行い,最終年度で総括する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Al-17wt%Si-4wt%Cu合金のソノ凝固条件の最適化により,大量の微細初晶Si粒および非平衡α-Al相から成るヘテロ構造を創成した.また,同ソノ凝固スラリーの半凝固ダイカストを行い,その引張特性および耐摩耗性を評価した. ミクロ組織の定量評価を通じてソノ凝固によって創成したヘテロ構造の効果を把握した.
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今後の研究の推進方策 |
軟質非平衡α-Al相/硬質初晶Siから成るヘテロ構造二相Al合金の開発に必要な要素技術を確立するため,過共晶組成(Al-17wt%Si)合金の超音波溶湯処理を,温度,時間,冷却速度を変化させて行い溶湯処理の限界を見極める.さらに,非平衡α-Al相の晶出が初晶Si晶出量を増加させることなど,ソノ凝固におけるミクロ組織上の特徴を定量的に把握する.ヘテロ構造の効果として,強度・耐摩耗性/延性・加工性の評価を行う.また,次世代元素戦略の一環として,低純度リサイクル材を用いて,本ソノ凝固プロセスに基づく希少金属を添加しないAl合金の開発を完成させる.一方,ソノ凝固の本質を理解すべく,Al-Cu系など単純2元素合金のソノ凝固を行い核発生促進効果,非平衡相の晶出と溶質原子濃度の増加を調べる.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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